「上野伊三郎+リチ」のウィーン ― 2009/05/12 07:15
今年の初め頃だったろうか、「新日曜美術館」のアートシーン(展覧会案内) で、京都国立近代美術館だったと思うのだが、「上野伊三郎+リチ」という展覧 会を紹介していた。日本人建築家とウィーン生れの図案家の奥さん、その図案 の色と雰囲気に惹かれて、ちょっと見たいと思ったら、幸い4月11日から目 黒区美術館に巡回するということだった。 冷蔵庫に貼ってあったメモによっ て、10日、目黒区美術館で「上野伊三郎+リチ コレクション展」(5/31まで) を見てきた。 「ウィーンから京都へ、建築から工芸へ」という副題がついて いる。
まったく知らない名前だった。 上野伊三郎(1892-1972)と上野リチ(Felice “Lizzi”Ueno-Rix,1893-1967)夫妻は、日本の近代建築史やデザイン史上に、 名前が刻まれているのだそうだ。 上野伊三郎は、祖父の代まで京都の宮大工 だった上野工務店の長男に生れ、早稲田大学理工学部建築学科を卒業後、1922 年ベルリンとウィーンに4年間留学し、ウィーン工房を主宰していたヨーゼ フ・ホフマンの建築事務所に勤めた。 1925年、ウィーンの富裕な事業家の長 女リチと結婚した。 リチは、ウィーン工芸学校でヨーゼフ・ホフマンに学び、 当時はウィーン工房でテキスタイル・陶器・ガラス・七宝などのデザインを担 当、とりわけプリント図案は「リックス文様」として高い評価を受けていた。
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