私が福沢諭吉に入門した本(もと) ― 2010/01/03 07:53
昨年の11月28日と12月12日の二回にわたって、「伊藤正雄編『明治人の 観た福沢諭吉』を読む」という読書会があった。 福澤諭吉協会の主催で、講 師は山田博雄さん(中央大学法学部兼任講師)、毎年(1996年から)『福澤諭吉 年鑑』に「研究文献案内」を書いている方だ。 昨年7月に復刊された伊藤正 雄編『明治人の観た福沢諭吉』(慶應義塾大学出版会)は、はじめ1970(昭和 45)年9月に伊藤正雄編『資料集成 明治人の観た福沢諭吉』(慶応通信)とし て刊行された。 私は、この古い方の本を持って、読書会に参加したのだった。
私が福沢諭吉の面白さを知ったのは、伊藤正雄さんのおかげだった。 高校 生だった1958(昭和33)年、慶應義塾創立百年の年に出版された甲南大学の 伊藤正雄教授の『福沢諭吉入門―その言葉と解説』(毎日新聞社)を近所の本屋 で見つけ、その文章と考え方の面白さに魅せられてしまった。 福沢に興味を 持った私に、父はちょうど刊行され始めた『福澤諭吉全集』を買ってくれた。 その後『福澤諭吉全集』の読者に送られて来た案内によって、福澤諭吉協会に 参加させてもらうことになる。 伊藤正雄さんは福澤諭吉協会「土曜セミナー」 の第2回に「『福翁百話』に見る福澤晩年の思想」を話され、その後も土曜セ ミナーできちんと背筋を伸ばしたお姿をお見かけした。 しかし、ついにお声 をかけて、福沢入門のそも馴れ初めについてお話することが出来なかったのは、 いま思えばまことに残念だった。
まだいわゆるわら半紙に近い用紙の、黄色くなった『福沢諭吉入門―その言 葉と解説』を読書会に持って行き、これもぜひ復刊してほしいと、慶應義塾大 学出版会の今度の本の編集担当者に話したのだった。
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_ 木下 ― 2010/01/06 19:00
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