「更衣(ころもがえ)」と「葉桜」の句会 ― 2010/05/17 06:58
9日に文机で、脚を投げ出す恰好で、溜めておいた新聞に目を通したのがい けなかったらしく、10日久し振りに腰痛になり、マッサージ鍼灸の治療を受け て寝ていた。 12,13,14日と出かける予定が続いていたからである。 その内 13日は、「夏潮」渋谷句会だった。 兼題は「更衣(ころもがえ)」と「葉桜」、 ほとんど準備もできず、つぎの七句を出した。
更衣クリーニング屋にうながされ
警官のいさゝか親し更衣
連休の渋谷は既に更衣
更衣セーラー服の疾走す
葉桜や席取り社員二ヶ月目
葉桜や久方振りに軽き風
葉桜の下で老僧舟を漕ぐ
結果は、<警官のいさゝか親し更衣>を英主宰、良さん、梓渕さん、けん詩 さん、一郎さんが、<連休の渋谷は既に更衣>を英主宰と、やすしさん、<更 衣セーラー服の疾走す>をけん詩さんに、選んでいただき計8票、準備の割に はまずまずの成績だった。
「更衣」と「葉桜」の句会、主宰の総評。 詠み手は、それぞれの季題ファ イルの中から句をつくる。 「なるほど、そうなんだけれども…」、もう一つ奥 の景色が見えて来ない。 一時間前後はどうか、あるいは周辺に目を向けてみ る。 ファイルを引っくり返す。 もう一つ、つっこんでみたら、どうだろう か、と。 拙句について、<警官のいさゝか親し更衣>…地元の派出所、顔見知りなの だろう。よき市民、よき警官という、若いお巡りさんの健康さ。「いさゝか」に 善良な感じが出ている、漫画の「サザエさん」に「いささかさん」という人が いた。 <連休の渋谷は既に更衣>…「更衣」の本情からは、逆に詠んでいる。 渋谷、裸同然のような格好のお嬢さん。日本の歴史から離れてはいるが、それ も「更衣」に違いない。最近はラディカルになった、十年前だったら採らなか った句。
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