今村翔吾さん『人よ、花よ、』の「あらすじ」2024/04/22 07:12

[第四章「最古の悪童」]昔なじみの灰左と吉野衆が、大悪党金毘羅義方の手勢に囚われ、多聞丸は6人で山中の本拠に潜入して、救い出す。 [第五章「弁内侍(べんのないし)」]多聞丸は大塚惟正に、楠木家は北朝に付こうとしていることを明かす。 帰順の道筋を探っていると、北朝の高師直が執着している弁内侍という美しい女官が浮かぶ。 [第六章「追躡(ついじょう)の秋(とき)」]弁内侍は吉野へ向かって出立し、多聞丸は、高師直が指図したらしい襲撃から、弁内侍を救い出す。 [第七章「皇(すめらぎ)と宙(そら)」]多聞丸は、楠木正成の三男、弟の虎夜叉丸を観心寺に訪ね、還俗したいという弟を許さない。

[第八章「妖(あやかし)退治」]正月支度に追われる師走の楠木館を、弁内侍の茅乃が訪れ、刺客に襲われた後村上帝を守ってほしいと願い出る。 多聞丸は大塚惟正らと相談し、吉野の御所の年賀の儀式に公人(くにん)に化けて潜り込む。 北朝の高師直は、弟の師泰と、南朝の帝の暗殺をたくらむ足利直義の真意に考えをめぐらせる。 [第九章「吉野騒乱」]公人に化けて御所に潜り込んだ多聞丸たち、石掬丸が夜御殿の油の異変に気付く。 刺客の夜襲を受けた御所で、多聞丸は、阿野と名乗る公家、実は後村上帝(南朝第二代天皇)と会い、護る。 戦いを終えた20日後、多聞丸たちは、楠木館に戻る。

 [第十章「牢(いけにえ)の血」]多聞丸は、楠木党の総勢256人で、吉野の南朝御所へ行き、後村上帝に謁見する。 その謁見の場で、居並ぶ廷臣たちに、北朝と和議を結ぶべきだと、高らかに宣言した。 北畠親房らに、衝撃が走る。 後村上帝から、単身で北朝に降るために連れ出してくれと持ち掛けられた多聞丸は、後村上帝とともに生きる道を探ると決めた。 楠木党の総意を確かめた後、南朝を牛耳る北畠親房に、あくまでも和議を結ぶための手段として、決起することを伝える。 弁内侍こと茅乃から、出生の秘密を聞いた多聞丸は、五分咲きの桜を見ながら、自らの思いを打ち明けた。

 [第十一章 「蕾(つぼみ)」]半年後の正平2年8月10日、楠木党はついに決起する。 一方、北朝の高師直と師泰の兄弟にも、楠木多聞丸正行決起の報が届く。 第十二章「東条の風」楠木党は、たちどころに紀伊国の隅田城を落とし、昔なじみの灰左ら吉野衆とも合流し、800騎の軍勢となった。 次なる相手は3千余騎の細川軍、多聞丸は父正成から伝わる蕾陣を発展させ、花陣と名付けた戦術を用いて、夜襲をかける。

 [終章 「人よ、花よ、」]連戦連勝に沸く楠木党のもとに、吉野の南朝より突如として、大量の綸旨が発せられたとの知らせが舞い込む。 それは、今こそ京を奪い返せと日ノ本中に呼びかける大動員令だった。 多聞丸たちの運命は、大きく動き出すことになる。

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