サンタがウチにやって来た2007/12/25 00:10

 Merry Christmas! もう、今日でおしまいだが、この季節になると家中に サンタクロースがいる。 電気のプラグの上にもいる。 長年にわたって家人 が、もう増やさないといいつつ、好みのを見つければ、少しずつ集めたものだ。  玄関には大勢並んでいる。 宅配便の配達の人などは興味を示さないが、たま に取る とんかつミカドのお兄さんだけは、話題にする。 エライゾ。 今年は、 銀行の外回りの女性が、これはドイツですよね、と言った。 ドイツに行って きたばかりなので、と。  クリスマスの夜は更けて、正月の飾りにかわる。

『文章のみがき方』<等々力短信 第982号 2007.12.25.>2007/12/25 00:12

 「毎日、書く」という心がけから、その本は始まっている。 「毎日の素振 りをせず、いくら野球の解説書を読んでも、野球がうまくなるはずはありませ ん」 辰濃和男さんの岩波新書『文章のみがき方』である。 毎日、ブログを 書いている私は、いい気持になって読み始めた。 鶴見俊輔、井上靖、加藤周 一、山本周五郎、井伏鱒二、中野重治、井上ひさし、江國滋、山口瞳、向田邦 子などなど、私が読んできた人たちの文章が引用されている。 辰濃さんと好 みが似ているのかと、これもうれしくなった。

しかし、「推敲する」の章の「書き直す」に至って、ギャフンとなった。 辰 濃さんが推敲で心を配っている点を箇条書きしている(128頁)。 23項目も ある。 どれもが具体的で参考になる。 拡大コピーをして、机の前に貼って おきたいほどだ。 毎日、ただ書いているだけで、これほどの配慮はしていな い。 「(5)とくに書き出しの文章がもたもたしていないか」を、先月の短信 を書いている頃に読んだ。 さっそく「文豪・夏目漱石」展を見に行った話の 書き出しを、「両国は久しぶりだった」にした。

敗戦後、坂口安吾を読み、ひろびろとした世界が目の前に開け、さらに『福 翁自伝』を読んで、明治の頃、すでにこんな自由な文体があったのかと、驚い たそうだ。

辰濃さんは、文章修業には、筆の技をみがくことも大切だが、五感の練磨こ そが文章力を高めるための、より根本的な過程だという。 大自然のなかでこ そ五感は鋭敏になる、と。 四国「歩き遍路」の体験で、確信を深められたこ となのだろう。 俳句の吟行で、自然の中にほっぽり出されることを思い出す。  風を感じ、空や雲を見、木や草花、鳥や虫などの季題に向き合う。 非日常の 空間と時間の中で、たった一人になって、自分の心と対話し、言葉を紡ぐ。 あ の時間は、なかなか貴重なのだった。

 「落語に学ぶ」というのも、わが意を得たり。 水川隆夫さんの『漱石と落 語』(平凡社ライブラリー)から、落語が漱石の文学、二葉亭四迷や山田美妙の 言文一致体、正岡子規らがはじめた写生文に大きな影響を与え、ひいては多く の日本人の見方、考え方、感じ方、文章の書き方に影響を及ぼしたという説を 紹介している。

 福沢、俳句、落語と、我田引水が続いたので、辰濃さんが、落語から学ぶべ きことの(3)に挙げたことを、引用せねばなるまい。 「えらそうなことや 自慢話を書いたとき、ナンチャッテと省みる余裕がでてくる」