強さとユーモア2007/12/29 06:52

 俯かない泣かない振向かない五月

 蓑虫のかくも一途な平和主義

ペンギンと同じ歩幅に青き踏む

 腹筋背筋欲しや尺取虫ほどの

 男運なき身軽さの春帽子

 句集『不孤』を読むと、中原徳子さんは、そのお身体で、実にいろいろな所 に出かけている。 スリランカに4回、バリ島、台湾、ハワイ、沖縄、長崎、 隠岐、京都、鵜飼(長良川か)、網走(?)、展覧会、音楽会、芝居、舞踏公演。

 灼け砂に書いては消して値切りけり

 汗拭く間百ルピーほど騙されぬ

 カメレオン跳ぶや遺跡の石の色

 春宵のフラの手ぶりの先に愛

 隠岐去り難し秋光の帯太ければ

 その強さとユーモアには、健康な背骨を持ちながら、シャンと伸ばして生き ていない私の、背中をどやし付ける効果があった。

 地虫鳴くペンは剣より強しに疑義