筒井康隆さんの『現代語裏辞典』にアイディア2020/08/27 07:10

 「きんきゅう【緊急】-処置、-事態、-逮捕、-避難のように用いられるが、たいていはうろたえていて大事や失敗に終る。 筒井康隆」。 22日の朝日新聞朝刊、この鷲田清一さんの『折々のことば』1912は、筒井康隆さんの『現代語裏辞典』(文藝春秋)の一項目だ。 鷲田さんは、「「募集」には「まず詐欺を疑うべし」とあるが、「募っているが募集はしていない」という趣旨の発言をした人は、この項にあらかじめ目を通していたのかも。「適材適所」には「気に食わない奴が左遷された時の憎まれ口」とある。この辞典、10年前に公刊されている。鋭い風刺は時代を跨ぎ越す。」と続ける。

 この辞典、巻末の筒井康隆さんの「謝辞」にこうある。 「本辞典では朝日ネットにおける小生の会議室に集う諸兄姉から着想を募り、著作に貢献していただいた。筆頭の藤本裕之氏などは約三百項目に及ぶアイディアの提供者である(二番目の北野勇作氏が約二百三十項目)。」 総勢四十二人、総数約二千二百項目(辞典全体は一万二千項目)というアイディア提供者が列挙されているが、その六番目に「馬場紘二(轟亭)」の名がある。  書店で売られている本に、名前が出るようなことは、めったにあることではない。 まことに光栄なことであった。

 筒井康隆さんが『現代語裏辞典』の「か」の章を執筆中、いくつかの項目に苦戦して、応援の書き込み=「お助け」を募集し始めたのは、2002年6月のことであった。 ちょうど会社の清算も無事結了し、閑居生活に入ったところだったので、暇にあかせて参加させてもらった。 最初にご採用いただいたのが「カウチポテト」。 私の案は「河内生まれのイモ姐ちゃん。」、筒井さんの辞典では「河内の人間に対する悪口。「河内のイモ」の意。」となっている。 以来8年、ずいぶん楽しませていただいた。 『現代語裏辞典』は筒井康隆さんが8年の歳月をかけた金字塔だが、私にとっても閑居8年の成果の一つである。 以下は、私の案を使っていただいたものの、一部である。 シモネタや、ブラックなものがあるのは、偏に筒井さんの作風に合わせたためである(笑)。

げすいどう【下水道】糞尿をあつめて早し下水道。
ゴーギャン【Gauguin】ゴッホ曰く。「傲岸な奴だった」
さんしろう【三四郎】「あなたはよっぽど度胸がない方ね」と言われて発奮、柔道で名を成した男。
しかくしめん【四角四面】きっかり30分計って食後の薬を飲むやつ。
せいかんたい【性感帯】市民ふれあい広場ではふれあいが禁止されている。
ソムリエ【sommelier】ワインを飲ませて飯を食っている人。
タイマー【timer】電気椅子にもある。「チン」と鳴って生きていれば釈放。
だつじ【脱字】チンコ屋。
だんねつざい【断熱材】「明日BEST」といわれたのに……。
ちゅうさんかいきゅう【中産階級】中程度にしかお産しない階級。少子化の原因。
ちゅうせん【抽選】発送をもって抽選に代えます。
ちょくりつふどう【直立不動】温泉の風呂場で、ばったり天皇陛下にお会いした時。
ついし【墜死】ペタジーニ。
てきせつ【適切】大統領夫婦間の性交。
ぬえ【鵺】「日本夜鳥の会」会長。
はいしゃく【拝借】運動会のゲームに「パンティ」という紙を混ぜておくと……。
はいしょく【敗色】甲子園から阪神ファンが帰りはじめること。
ばっぽんてき【抜本的】虫歯もそうでない歯も全部抜いて、総入歯にする治療。

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