近所を歩き、暮らしと自然が一体の自分の『地図』を育む2022/05/28 07:11

 昨日紹介した朝日新聞夕刊の記事で、岸由二さんが、身近な地形や生態系などの自然から発想する「流域思考」は、災害の危険から命を守るために大地から積み上げた知恵だとして、こう語っていた。

 「豪雨による災害は雨量と地形によって起きる。短時間に強い雨が降ればどんな土地でも土砂災害の危険が高まり、上流で激しい雨が降れば雨が降っていない下流でも川の水位が増す。気象情報は自宅周辺の具体的な危険までは教えてくれない。行政の地域区分や既成の地図に頼るだけでは生き残れない」

 「求められているのは文明も自然の一部として自然と共生するような持続可能な都市づくりで、それを支えるのが流域思考です」

 「気候変動の危機に適応するためにも近所を歩き、自分なりの『地図』を育んで、一人一人の暮らしと自然が一体になった新しい哲学に高めていってほしい」

 この哲学、どこか、俳句作法に近いような感じがした。