AI駆使のサイバー攻撃、金融への脅威は喫緊2026/04/29 07:04

 「金融 新型AIから防御へ 担当相・銀行首脳 協議」、4月25日(土)の朝日新聞トップの見出しだ。 基幹インフラへの大規模なサイバー攻撃に悪用されかねない、米国新興企業アンソロピックが開発した新型AI「クロード・ミュトス」に対応するため、片山さつき金融担当相は24日、金融業界のトップらを集めた官民連携会議を開き、新たな体制づくりを決めたという。

 「クロード・ミュトス」は、サイバー攻撃で「穴」となるソフトウェアやシステムの弱点を見つける能力を飛躍的に高めて、専門家が長年見つけられなかった弱点を簡単に見破ったという。 アンソロピックは、攻撃側の手に渡った場合に「サイバーセキュリティのあり方を一変させる」として一般公開を取りやめた。 米当局が米銀行大手首脳と緊急会合を開くなど、各国で緊張感が高まっている。

 金融庁で開かれた官民連携会議には日本銀行の植田和男総裁、3メガバンクの頭取、日本取引所グループの首脳らが集まった。 AIを駆使したサイバー攻撃の脅威に対応するため、作業部会を官民会議の下につくることを全会一致で決めた。

 会議後に取材に応じた片山さつき金融担当相は、金融システムへのサイバー攻撃について、「広がりが他の業界とは比較にならない。直ちに市場に影響し、信用不安まで波及し得る」と指摘、ミュトスを含むAIの脅威を「今そこにある危機」と語ったそうだ。

 邦銀大手幹部は「攻撃を受け顧客情報などが漏洩すれば、システムをシャットダウンして、取引は全て現金でやりとりせざるを得ないかもしれない」と警戒する。 銀行業界はセキュリティ対策を急ぐが、のしかかる費用は膨らむばかりで、体力の乏しい地域金融機関はシステム投資についていけなくなるおそれもあるという。

 AIを駆使したサイバー攻撃の脅威は、金融にとどまらない。 電力、通信、鉄道、空港などの基幹インフラが攻撃を受け、サービスが停止すれば、経済活動や日常生活に甚大な影響が及ぶ。