矢野誠一『新版 落語手帖』の「お若伊之助=因果塚」 ― 2026/04/02 07:05
昨日、最後に「これから三遊亭円朝作といわれる「因果塚」の噺が展開することになります。」と書いたが、この柳家喬太郎の噺は、すでに「因果塚」から展開しており、そこからまた新たな因果噺が展開するのであった。 矢野誠一さんの『新版 落語手帖』の「お若伊之助=因果塚」では、町道場を開いているのは長尾一角で、お若と伊之助が手切金三十両後も密会し、お若の腹が大きくなったのを知り、鳶頭初五郎を問いただすと、伊之助は初五郎との吉原通いで根岸に行けるはずがないと判明する。 その晩、一角は初五郎の目の前で、種子島の火縄をつけ、訪れた伊之助を撃った。 死んだのは、伊之助ではなく大狸。 お若が伊之助を恋い慕うところから狸が姿を借りて通ったもので、十月たってお若が産み落としたのが狸のふた子、これを手厚くほうむったのが、根岸御行の松のほとり「因果塚」の由来一席、となっている。
矢野誠一さんは【成立】に、「三遊亭圓朝作と伝えられるが、疑問視するむきが多い。1談洲樓燕枝、4橘家圓蔵、5三遊亭圓生などが演じた」と書いている。
【藝談】「親父(5圓生)が演っているのを傍で聞いて覚えたものです。演り出したのは親父が亡くなってからですが、最初は軽すぎるといわれました。三遊亭圓生」
【能書】「根岸名所の「御行の松」は、弘法大師が御行法を行った所という伝説があり、大樹だったが1928(昭和3)年枯死した。樹齢五百年だったという。二代目の松は、1956(昭和31)年寛永寺から寄贈されたもの。」とある。
さらに展開する、新たな因果噺は、また明日。
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