柳家さん喬の「締め込み」後半 ― 2026/04/18 07:19
止めないでくれ、源さん! 夫婦喧嘩は、犬も食わないって。 お前さんも、しつこいよ。 仲裁は、ときの九十九神(つくもがみ)。 お前さん、なんだ、源さんじゃないな、誰? 名のある性質の者じゃない。 でも、止めてくれて、ありがとうござんす。
この喧嘩、どういうものか知ってんのか? そこです。 それが分かれば、収まる。 この風呂敷包みをつくったのは、おかみさんでも、旦那でもない。 そこです。 私が風呂敷包みをつくって、外へ出ようと思ったら、旦那が帰って来た。 台所のあげ板の下、糠味噌桶の脇に潜り込んだ。 おかみさん、糠味噌はときどき掻き回した方がいい。 隠れている頭の上に、鉄瓶がゴロン、ゴロンと転がってきて、お湯がダバ、ダバーッとこぼれた。 辛抱しきれなくなって、出て来て、まあまあと止めました。 お前さん、家に入って来た泥棒か。 お前が、湯でくっちゃべっているから、こういうことになるんだ。 泥棒さんが出て来てくれなければ、夫婦別れするところだった。 お前も泥棒さんに、お礼を申し上げろ。 泥棒さん、よく出て来てくれました。
仲が良すぎる、うらやましい。 おかみさんが伊勢屋に行儀見習いでいる時に、お二人は噂になったてんで。 でも、あとで聞いたら、噂なんかなかったとか。 よせよ、余所で言うなよ。 仲間内でも、口が堅いと言われてんで。 一杯やろうじゃないか、お福、支度しろ。 ゆっくりしていきな。 明日になったら、入りやすいところを、二三軒教えてやるから。
一杯やって、いい気分になった泥棒が寝込んだ。 暢気なもんだね。 薄い物でも、かけてやんな。 お福、俺たちも寝ようか。 心張棒をかっとけ。 あっ、泥棒が中にいるんだ。 お福、心張棒、外からかっとけ。
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