立川志らくの「百年目」上 ― 2026/04/14 07:03
お茶が出ている。 立川志らく、テレビのコメンテーターで見たことはあるが、眼鏡なしの落語を聴くのは初めてだ。 黒紋付の羽織に、クリーム色の着物。 近頃、パワハラが問題になるが、驚かない、と始めた。 立川談志のパワハラ、夜中の11時、弟子に、肉屋のコロッケが食いてえ、と。 破門されるから、肉屋の戸を叩く。 何です。 コロッケを一つ。 談志の弟子だと言うと、いい肉屋で、ちょっと待ってよ、と言って、コロッケ二つ揚げてくれた。 一つ分の金しか持っていなかったが…。 実話です。
一番番頭、力がある。 貞吉、何してる? 両方の鼻の穴に、火箸を突っ込んで、チリン、チリン。 楽しいのか、何かするなら、火箸をはずしておやんなさい。 長松、何やってる? コヨリ作ってます、今日一日で百本。 いまどのくらいだ? 九十六本、あと九十六本。 まだ四本かい。 今、後ろに何か隠したな。 馬じゃないか。 コヨリで馬を作って、遊んでいるのか。 これ角があるから鹿、馬と鹿を間違えれば、馬鹿。 余計なことを言うな。 孝蔵、手紙を書いてんのか、一昨日頼んだ手紙、出してくれたな? 小僧の手がふさがっていたので、まだです。 お前さん、そんなに偉いのか、一人前なのか。 冗談じゃない、お前は図体がでかいから、上げを下しただけだ。 助造、何読んでるんだ? 読書で。 おちびと(落人)? おちゅうどです、お軽勘平道行……、清元でございます。 便所で妙な声を出してるのはお前か、空襲警報みたいな声を…。
繁造! おいでなすったか、お叱言なら、さあ、どうぞ。 一昨日の晩、はばかりに何度も起きた。 外から、女の声がした。 ふつうの声じゃない、あれは芸者の声、繁造さんどすえと言った、あれはお前じゃないのか。 あんなに晩くまで。 近所のお湯屋さんに行ったら、田所屋さんの番頭さんにお会いして、おつき合いで、謡の会に参りまして。 謡が済んだ後、お茶屋へ行って、ワッてなことをして。 泣いたのか? お茶屋へは、お茶を買いにか? 茶葉屋じゃなくて、あのお茶屋、芸者や幇間がいて、どんちゃん騒ぎをする。 ゲイシャっていうのは、どんなシャだ、タイコモチっていうのは、焼いて食うのか、煮て食うのか? 弱ったな。 私に万が一のことがあったら、お前さんが店を束ねるんだよ。 そんなこっちゃいけない、旦那様にお話するよ。 私は、これから番町のお客様の所へ行ってくるから、旦那様には遅くなるかも知れないと、申し上げてくれ。 行ってらっしゃい。 番頭さん、行ってらっしゃい。 行ってらっしゃい。
表に出ると、色紋付に真っ赤なステテコ、扇を首にはさんだ、見るからに幇間とわかるのが、追って来た。 旦那! 引っ張るな、誰が見てるか、わからない。 何で店の前を、変な八百屋の恰好をしたりして、うろちょろするんだ。 みんな待ってます、向島へ舟出して、花見をするって。 まり奴姐さんに、声かけなかったんですか? 捨てられたんだ、年だからって、表情で見せた、おかんむりでしたよ。 芸者衆が渦巻いて、大奥のようになっている。
最近のコメント