「蘇民将来之子孫也」2008/07/21 08:06

 京都から祇園祭・鶏鉾の「厄除 ちまき」というお守りを送ってくださった方 がいる。 有難いことである。 「ちまき」というと、端午の節句に食べるお 菓子と中国料理しか頭になかった。 笹や真菰で包むが、古くは茅(ちがや) の葉で巻いたのだそうだ。 お守りは、お菓子の「ちまき」と同じ恰好で、茅 の葉で巻いてあり、「鶏鉾厄除御粽」と書いた上に臙脂色の紙で「蘇民将来之子 孫也」とある。 「蘇民将来」とは、なんぞや。

 鶏鉾の絵のついた「厄除 ちまき」の入った袋の裏に「ちまき」の能書きがあ った。 「昔、素盞鳴命(スサノオノミコト)が旅で、一夜の宿を求められた とき、貧しい蘇民将来の家でうけたあたたかいもてなしに対し、その返礼とし て蘇民将来の子孫には疫病の厄を免れさせようと約束され、そのしるしとして、 茅の輪を腰につけさせたのが、ちまきのおこりといわれています。/和名「茅 まき」と言われ、その頃から茅に特別な霊性を認めた日本古来の考え方から、 厄難消除のために、門口につるしたものです。毎年、祇園祭になると新しい「ち まき」に取り替えるのがならわしになっているようです。同時に古都の風物詩 でもあります。」

 『広辞苑』の「蘇民将来(そみんしょうらい)」には、(1)厄病除けの神の 名。備後風土記に、茅(ち)の輪を腰に着けて疫病を免れた説話を伝える。(2) 護符の一。木製の六角または八角で塔状をなすものや守札があり、「大福長者蘇 民将来子孫人也」などと記す。八坂神社末社や長野県上田市国分寺の八日堂を はじめ諸国寺院から出す。」とあった。

 6月晦日の「夏越の祓え」に茅の輪くぐりをするのと、同じ御利益があるの だろう。 さっそく、わが家の玄関に「鶏鉾厄除御粽」をつるした。