たい平、小さんにいじられたか2005/11/02 08:02

 31日は、第448回落語研究会。

「一目上り」          古今亭 菊朗

「たらちね」          林家 たい平

「明烏」            入船亭 扇遊

仲入

「おかふい」          桂 平治

「真景累ヶ淵より 豊志賀の死」 古今亭 志ん輔

菊朗、八の字眉、小僧風。 「一目上り」は、ご存知八っつぁんが掛け軸を 褒めようとする前座噺。 掛け軸を褒めることができれば、ガラッ八、八公が、 八五郎さん、君、様、先生、殿とも呼ばれるようになるだろうといわれて、そ の気になる。 が、賛といえば詩、詩といえば悟、先にロクといえば七福神。  蛇足ともいわれるハチといえば芭蕉の句、までやった。 菊朗は、テンポもよ く、なかなかの出来だった。

たい平、鴇色というのか、ピンクの着物。 マクラで、昔、国立演芸場で小 さんの「時そば」を聴いたら、初めに「一ィ二ゥ三ィ四ゥ五ッ六ッ七ッ」とサ ゲまでやってしまい、百面相をやって下りたと、口真似までした。 「たらち ね」に入っても、大家が「身を固めないか」と来たのを八五郎が「秩父セメン トで」といえば、大家「古いな、秩父セメントは合併して、今は太平洋セメン トというんだ」というあたりは、快調だった。 縁談が決まれば、すぐ欲しい 八五郎、今夜嫁さんが来ることになって、嬉しくって、沢庵をポーリポリの、 ボーリボリというおまんまを食う稽古をする。 新しい宗教にでも入ったのか というほどの八五郎のはしゃぎぶりに、今まで洗濯をしてくれるなどいろいろ 八五郎の面倒をみてくれていた、隣の糊屋の婆ぁさん、「私、くやしい、私を メチャクチャにして」と泣く。 八五郎「もう、十分にメチャクチャじゃない か」。 このとんでもない展開に乗ったたい平、「カラス、カァで夜が明けて」 とやってしまった。 マクラでふられた小さんの幽霊でも出たか。 気がつい て、何とか噺を続けようとするたい平、もうON AIRは確実にないからと、「ち んばなんて平気」とメチャクチャになる。 「勉強し直してまいります」と頭 を下げながら「それでも下りないのが林家一門」と、「カラス、カァで二日目の 夜が明けて」「アーラ我が君しらげ(白米)のありかはいずれなるや」も、ちゃん とやった。 泣き真似をして、お辞儀。 このハプニング、客席もけっこう楽 しんだのだった。