談春の「三軒長屋」2006/07/03 07:38

 立川談春は、いきなり「三軒長屋」に入った。 佐助が時間を使いすぎて、 押していたからだろうと邪推したが、単に長い噺なので、そうしたのかもしれ ない。 鳶の頭・政五郎と剣道の先生・橘ノ運平昌邦の間に、お妾さんが住ん でいる三軒長屋。 そのいーい女は、表通りの質屋・伊勢屋の親爺勘兵衛、ヤ カン頭の七十近い爺さんの持ち物だ。 伊勢勘、歯はないけれど、金がある。  女は、歯よりも、金の方がいいらしい。 頭が品川の島崎でお職を張っている 女の所にいつづけをしていて、おかみさんはイライラしている。 ヘコ半とガ リガリ宗次の喧嘩の仲直りをするために、若いもんが二階を借りに来る。 そ の原因が、湯う屋の湯の中で屁をしたという、屁のような喧嘩だ。 手打のは ずがまた、喧嘩になって、台所の包丁を持ち出す大騒ぎ。

 お妾さんが静かな所に引っ越したいというのを、伊勢勘が実は両隣、「どぶさ らい」と「へっぽこ剣術使い」の家は「家質(かじち)」に入っていて近く「抵 当流れ」になるのだ、となだめる。 それを女中、鳶の若い衆に「化け物!」 「転がれ!」と声をかけられた、ひでえ面の丸々と太った女中が聞いて、あち こちでしゃべったからたまらない。

 と、長い噺を全部やるわけにはいかないが、談春はテンポもよく、楽しそう に演じた。 ガキの頃、悪ぶって、物を盗ることを「ぎる」などと言っていた が、談春が「ぎったよう」と使っていた。 「にぎる」なのか、「盗」を「ぎ」 と読むのか、『広辞苑』にはない言葉だ。 ついでだが「千本試合」も「はなげ え(花会)」も、『広辞苑』にない。

コメント

コメントをどうぞ

※メールアドレスとURLの入力は必須ではありません。 入力されたメールアドレスは記事に反映されず、ブログの管理者のみが参照できます。

※なお、送られたコメントはブログの管理者が確認するまで公開されません。

※投稿には管理者が設定した質問に答える必要があります。

名前:
メールアドレス:
URL:
次の質問に答えてください:
「等々力」を漢字一字で書いて下さい?

コメント:

トラックバック

_ How to quit - 2006/07/03 14:05

「花よりもなほ」 「誰も知らない」の是枝裕和監督の最新作。後味の良さは保証する。「当たり」を久々に引いた気分だ。