ムンクの「フリーズ」とは? ― 2007/12/26 07:48
11月25日のNHK「新日曜美術館」でムンクをやっていた。 国立西洋美術 館で展覧会をやっている(1/6まで、1/19から兵庫県立美術館)からだ。
ムンクにしては、明るい絵があった。 44歳から神経症を病み、2年間の療 養で回復してから、作品のテーマが「死」から「生の肯定」へと、ドラマティ ックに変化したのだそうだ。 昔、描いた暗い絵の構図はそのままに、明るい 色に変えている作品もある。
ムンクの4つのテーマは「生」「愛」「不安」「死」。 その一枚一枚を独立し た絵であると考えずに、一つの詩である「生命のフリーズ」としてとらえた、 のだそうだ。 この「フリーズ」は、凍ることではなくて(「動くな!(撃つぞ)」 でも、パソコンが止まることでもなく)、西洋の古典様式建築の柱列の上方にあ る横長の帯状装飾部分のことで、「シリーズ」に近い意味で使われている、とい う。 ムンクは、自分のアトリエの壁面に、描きためた絵を「生命のフリーズ」 としてレイアウトしていた。 一緒に並べると、絵が響きあって、「ひとつの交 響曲」になると、言っていたそうだ。 その考え方で、オスロ大学講堂の壁画 『オーラ』、オスロのチョコレート工場の食堂壁画(これが素晴しい)、個人宅 の子供部屋の壁などに、「生命のフリーズ」を描いたのだった。
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