生志の「二番煎じ」 ― 2011/12/31 04:25
この21日は立川談志の「お別れの会」が二部制であって、午前11時からは 千人、午後3時からは一般の人の部だったという。 生志はこの間、黒紋付に 袴で立ちっぱなし、足がぱんぱんになり、疲労困憊した、ここに座ったまま黙 っていたい、と。 わが師匠ながら、報道を見て、偉い人なんだ、風雲児、革 命児、自分が死んでも、あんなに大きく扱われないだろう。 火事だけでは、 死にたくないと思っている。 「火事で落語家生志焼死!」 談志の弟子では 景山民夫(立川八王子)さんが、火事で死んだ。 寝タバコだったとか。 高田 文夫さんが師匠の所に来て、最期の言葉がわかりましたと言った。 「アッチッチ!」
「二番煎じ」、ご存知の噺である。 生志だからといって、さしたる新機軸は なく、ごくオーソドックスに演じた。 もともと冬の噺として、よく出来てい るのだ。 楽しく聴くことができた。 猪(しし)の肉は、どんなに熱くても、 火傷しないとか、その猪鍋が美味で、暖まって、みんな喜ぶ。 〈猪鍋やああ 猪鍋や猪鍋や〉、〈「この味がいいね」と君が言ったから師走四日は猪鍋記念日〉 くらいが、立川生志風といったところか。 昼間の疲れだろう、見回り役人の 「一回りして来る間に、二番を煎じておけ」で立って、少しよろけた。
小人閑居日記 2011年12月 INDEX ― 2011/12/31 13:54
5278 桂米團治「代書」のマクラ<小人閑居日記 2011. 12. 1.>
5279 米團治の「代書」ジレキショ編<小人閑居日記 2011. 12. 2.>
5280 米團治の「代書」受取トッコンションメン編<小人閑居日記 2011. 12. 3.>
5281 「円空」の前に、鰻を食う<小人閑居日記 2011. 12. 4.>
5282 円空仏の魅力に浸る<小人閑居日記 2011. 12. 5.>
5283 「言語力こそ武力なき日本を守る『武器』だ」<小人閑居日記 2011. 12. 6.>
5284 国家事業として日本語の国際普及を!<小人閑居日記 2011. 12. 7.>
5285 『RAILWAYS2』を観る<小人閑居日記 2011. 12. 8.>
5286 “幼い老人”の入り口で<小人閑居日記 2011. 12. 9.>
5287 本を「つけで」買った話<小人閑居日記 2011. 12. 10.>
5288 宮崎駿さんとの共通点<小人閑居日記 2011. 12. 11.>
5289 「終わりの始まり」でも、必要なもの<小人閑居日記 2011. 12. 12.>
5290 「鮟鱇」と「煤払」の句会<小人閑居日記 2011. 12. 13.>
5291 「鮟鱇」「煤払」選句と「季題研究」<小人閑居日記 2011. 12. 14.>
5292 「たぶの森」の移動と由来の碑<小人閑居日記 2011. 12. 15.>
5293 「江戸がり屋」の「東京語」を批判する<小人閑居日記 2011. 12. 16.>
5294 井上靖の短篇小説『補陀落渡海記』<小人閑居日記 2011. 12. 17.>
5295 二つの補陀洛島、中国・普陀山と日本・伊島<小人閑居日記 2011. 12. 18.>
5296 補陀洛渡海史<小人閑居日記 2011. 12. 19.>
5297 高校新聞仲間の葬儀で<小人閑居日記 2011. 12. 20.>
5298 「巧言令色またこれ礼」〔昔、書いた福沢2〕<小人閑居日記 2011. 12. 21.>
5299 渡辺浩教授の講演「儒教と福澤諭吉」<小人閑居日記 2011. 12. 22.>
5300 福沢は儒教を全否定したわけではない<小人閑居日記 2011. 12. 23.>
5301 渡辺浩教授のまとめた儒学(朱子学)の教義<小人閑居日記 2011. 12. 24.>
5302 福沢の思想には儒教的な所がかなりある<小人閑居日記 2011. 12. 25.>
短信 5303 生活の中のデザイン<等々力短信 第1030号 2011.12.25.>
5304 三笑亭夢吉の「両泥」<小人閑居日記 2011. 12. 26.>
5305 歌奴の「電報違い」前半<小人閑居日記 2011. 12. 27.>
5306 歌奴の「電報違い」後半<小人閑居日記 2011. 12. 28.>
5307 さん喬の「雪の瀬川(上)」の(上)<小人閑居日記 2011. 12. 29.>
5308 さん喬の「雪の瀬川(上)」の(下)<小人閑居日記 2011. 12. 30.>
5309 生志の「二番煎じ」<小人閑居日記 2011. 12. 31.>
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