三笑亭夢吉の「両泥」2011/12/26 04:34

 21日は、第522回の落語研究会だった。 いつもの諸氏と、天婦羅屋さんで 一杯やって出かけるのだが、私がウーロン茶なのを、おばさんが憶えた。

 「両泥」        三笑亭 夢吉

 「電報違い」      三遊亭 歌奴

 「雪の瀬川(上)」     柳家 さん喬

          仲入

 「二番煎じ」      立川 生志

 「芝浜」        入船亭 扇遊

 三笑亭夢吉、2008年8月28日の第482回に出ていた。 「夢丸の弟子だそ うだが、その夢丸も知らない。 夢楽の系統か。 噺家らしい顔かたちだ。」と、 書いていた。 ニヤニヤ出てくる。 「両泥」という噺は、題名も聞いたこと がなかった。

 夢吉、新潟の新発田市の生れだそうだ。 何もない平和な町だが、昨秋、犯 罪史上例のない未曽有の事件が発生したという。 新発田警察署に泥棒が入り、 白バイが三台盗まれた。 慌てて北の隣町、村上警察署に被害届を出した。

 引越かと思う大きな風呂敷包みを背負った男とぶつかる。 脅すと、空き巣 泥棒、今日が初日だという。 心配するな、俺も空き巣だ、藤四郎だな。 い え島吉です。 俺は空き巣の寅。 アキストラですか、手ぶらですね、休業日 ですか。 七輪、鍋、釜を盗って、売っぱらっちまった。 脅し文句を教えて やろう「ヤイヤイヤイ、お前の方でどう思っているか知らねえが、ガキの頃か らナンノナニガシ稽古して、腕には覚えがあるんだ」と、やってみろ。 お茶 とお花の稽古をして…。 嘘で構わないんだ。 でも、お母さんが嘘は泥棒の 始まりと言った。 泥棒じゃねえか。 そろばん三級、習字五段。 柔術、剣 術とか言え。

 風呂敷包みの荷物はどうするんですか。 ほかす(?)、売っぱらうんだ。  古道具屋でいくらかになり、おでん屋で熱燗一本。 寅さんに頼みがある、兄 弟分になってもらいたい。 いやだ。 お願いですよ、兄貴、大親分、大泥棒。  バカ、おでん屋に聞かれる、こっちへ来い。 別荘行き、揃いの着物、足に 鎖、懲役になるぞ。 兄貴、家に行きましょう。 放せ。 何で逃げるの。 付 き合ってやんか、道の端、歩け、警察が来た。 ここが私の家、戸が開いてい る、足跡だらけだ。 オヤッ、七輪、鍋、釜がない。

ここはお前ん家か、ごめん、さっき俺が入った家だ。 ドロボー!! 返せ、 ドロボー!! 放せ。 「ヤイヤイヤイ、お前の方でどう思っているか知らね えが、ガキの頃から柔術、剣術、稽古をして、腕には覚えがあるんだ」 バカ、 帯をつかんで付いてくるな、放せ。

 ここが俺ん家だ。 路地を曲がった三軒目。 すみません、それ、さっき私 が入った家です。