『宮本三郎クロニクル 1922⇒1974』展 ― 2012/08/30 01:21
「宮本三郎記念美術館」で開催中の展覧会『宮本三郎クロニクル 1922⇒1974 -最初期作品から絶筆まで』は、おすすめだ。 12月2日(日)まで。 同館 所蔵の298点の油彩作品の中から、お宝ともいえる約40点が選ばれている。 「クロニクル」は、年代記、編年史。 作品名の横に、○で囲んだ数字がある。 (17)(30)(69)というふうに。 1905(明治38)年に石川県で生まれ、1974 (昭和49)年に東京で亡くなった宮本三郎の年齢だ。
(17)歳、郷里で妹を描いたと思われるという《不詳(婦人像)》1922(大 正11)年、印象派の影響を感じさせる荒いタッチで、明るい緑色の陽光の下、 横向きの若い女性の半身が描かれている。 (30)歳、現在美術館のある土地 にアトリエを構えた1935(昭和10)年の《青い敷物》、脚を組んで仰向けに横 たわり、こちらを見ている大胆な裸婦像で、青のカーペットを含む全体の印象 が師の安井曾太郎(1888~1955)を思わせる。 (69)歳の絶筆、《假眠》1974 年、これも横たわる裸婦像だが、うつ伏せで、脚をやや開いており、顔はこち らに向けている。 全体を包む美しい赤の色が印象的、シャガールの赤、ルノ アールの肌色を感じさせる、色彩の輝き。 周りには花々や鳥や人形、赤ん坊 の顔のようなものが描かれている。 すべてのものに神が宿る、生命の讃歌の ようにも、やがて来る死を暗示しているようにも見える。 人間を描いた宮本 三郎、情熱的な人だったのだろう、裸婦像が多い。
世田谷美術館分館「宮本三郎記念美術館」は、東急大井町線・東横線「自由 が丘」駅 徒歩7分/東急大井町線「九品仏」駅 徒歩8分/東急目黒線「奥 沢」駅 徒歩8分、つまり、わが家とほぼ同じ場所にある。 世田谷区奥沢5 丁目38-13、電話が03-5483-3836、http://www.miyamotosaburo-annex.jp/
ご来館の節は、お声をかけていただければ、閑居老人、看板どおりの閑居中 なら、近くの「九品仏」浄真寺あたりをご案内できるかもしれない。
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