歌武蔵の「馬のす」2012/08/02 02:02

 歌武蔵、最近はやらなくなったかと思っていた「只今の協議についてご説明」 と「本名は松井秀樹」をやり、落語研究会では言わなくていいと言われそうだ が、言わないと後が出て来ないと、言い訳した。 松井の方もいろいろあって、 と戦力外通告をほのめかし、あとで相撲にも言及したからだろう。

 一昨年、イベントの企画会社から初めて電話があって、再来年の春のスケジ ュールが空いているか、落語か、司会か、余興か未定だが、と。 空いている けど何かと聞くと、世界一の自立塔のオープニングのイベントで、634メート ルと歌武蔵のムサシが一致するからという。 いずれ連絡するというので、名 誉なことだと喜んだ。 今年5月22日開業したけれど、いまだに連絡が来な い(拍手)、拍手するところじゃない。 どうしたんでしょうね。 当日は雨、 万歳、ざまあみろ、料簡の狭い男だけれど、東京タワーに登って万歳をした、 空いていて東京スカイツリーがよく見えた。

 お楽しみの一つに、釣りがある。 大物狙い、数・量狙い、穴場好き、とい ろいろだ。 一人も釣っていない場所、入れパクだろうと糸を垂らす。 二時 間、ピクッとも来ない。 近所の人が、釣れますかと聞き、そうでしょう、ゆ んべの雨で出来た水溜りだから…。

 ご夫婦の釣り。 初めての奥さん、ビギナーズラックか、よくかかる。 浮 子が沈むので、上げようとすると、魚が顔を出したところで、ポチャンと逃げ られる。 その繰り返し。 水の中。 ハヤちゃん、危ないじゃないか、その 内、針にかかって、釣り上げられるぞ。 面白いんだ、あの女、穿いてないん だ。

 道具箱出せ、源ちゃんが(魚が)来てるっていうんだ、仕事は帰ってからす ると、亭主。 台所で、枝豆を茹でていたかみさんが、道具箱を出す。 仕掛 けをつくるが、テグス(天蚕糸)がむれて、腰が出ているので、切れてしまう。  ちょうど家の出入り口に馬をつないだ奴がいる。 そうだと、その馬の尻尾の 毛を、テグスの代りに四、五本抜いた。

 迎えに来た男、話を聞いて、お前に会わなかったことにしてくれ、かかわり たくない、ごめん、アバヨ、と。 馬の尻尾の毛を抜くと、大変なことになる、 おれもタダで教わったわけじゃない。 男は、かみさんが一升瓶二本買って来 たのを見ていた。 枝豆で、酒をのませることになる。 聞くは一時の恥、聞 かずはマツタケの恥。

 おかみさん、いただきます。 いい酒だ、べとつくようだ。 枝豆までつい て、フッフッフッ、ツッツッツッ、ペチャペチャペチャ、茹で加減、塩の塩梅 がいい。 両手でフッフッフッ、あと引くね、止まんなくなっちゃう。 今場 所は、誰が優勝するかね。 外国人力士が多い。 四股名をつける親方の頭の 中は漢字ばかり、どうしても田舎の暴走族みたいな名前になっちゃう。 初め てアフリカ出身の力士がエジプトから来た、五月場所序の口優勝した大砂嵐、 親方の程度が知れる。 俺なら、ナイル川、クフ王、ムバラクとか付ける。 臥 牙丸というのも、ひどいね、新発売の焼酎のようだ。 新十両の阿夢羅(アム ール)、今どき新小岩のスナックにもないよ。 阿覧(アラン)、幕内になった からよかった、序二段で逃げれば、アラン・ドロン。

 もう少しで、お酒、お仕舞いだ。 あとは枝豆だ。 フッフッフッ、ツッツ ッツッ、ペチャペチャペチャ。 これは殻だ、殻をこっちの皿へ戻す。 ごっ そうさん。 それで、馬の尻尾の毛を抜くと、どうなるんだい? お待たせし たね。 馬の尻尾の毛を抜くとね。 うん。 馬が、痛がるんだよ。