柳亭左ん坊改メ柳家小太郎の「道具屋」2024/03/05 07:02

 2月29日は、第668回の落語研究会だった。 雨の予報で、案の定、跳ねたら水天宮前は雨だった。 柳亭左ん坊改メ柳家小太郎、落語研究会は遅刻の懺悔、前座の時から手伝っていたのだが、クリスマスの日に末広亭にいたら、TBSのプロデューサーから電話、ボーーッとしていて元気よく出ると、今日落語研究会ですよね、今どこにいる?と。 慌ててタクシーで千円札ピラピラさせて、駆け付ける。 謝るしかない、開演ギリギリ10分前ぐらいに到着した。 トリは権太楼師で、もう来ていた。 (柳亭)こみちが、かばってくれるか。 落語家になって4年目、これで終わったか。 権太楼師が、「左ん坊!」 ハイ。 「煙草喫いたいんだけど、どこで喫える?」 ニコチンは人類の敵だと思っていたけれど、ニコチンに救われた。 あとから来た小満ん師匠は、にこやかに「メリークリスマス!」。 今日は、ちゃんと来ました。 二ッ目になりたてなので、「道具屋」をやろうと思うというと、落語研究会では15年ぐらい出ていないそうで。 落語研究会、ぼんやりと研究してんのかい…、盲点で、やり慣れてる「道具屋」をやります。

 噺の方には、ボーーッとしているのが出てくる。 与太郎、突っ立ってないで、中に入れ。 おっ母さんが、こぼして行ったぞ、涙を。 いくつになった? 36。 ブラブラしているのは楽でいいが…、おじさんの商売、道具屋を教えてやる。 ゴミ、がらくた物を、道具市で仕入れてきて、売るんだ。 お前、目が利くか。 前の鉄瓶、ふめるか。 お湯が煮えたぎってるから、火傷するよ。 目で、ふむんだ、値踏みだ。 その大きなつづら、中を改めろ。 お雛様が一つ、錆びたノコギリ、ももひき。 あっ、お雛様の首が抜けた。 ノコギリ、赤いね。 火事場で拾ってきた。 ももひきは、ひょろびいのももひき、ひょろひょろしていてビーーッと裂ける。

 市へ行って来い、神田三河町の杢兵衛の所から来たと言え。 屑屋は、目から鼻に抜けて、一人前だ。 お前、まなかか、藤四郎だな? 与太郎だ。 杢兵衛さんが、甥の与太郎が、バ……カだとか言ってた、店のやり方教えてやろう。

 さあ、出来たての道具屋だ。 ノコ見せな。 ノコにある? ノコギリだ。 赤えな。 火事焼けだ。 ひでえ物、売るねえ。 ションベンされた、てんだ。駄目だよ、向うの懐に入り込むんだ。 蚤みたいだ。 タコみせな。 タコ? ももひきだ、足がへえるからタコてんだ。 ションベンできないぞ。 前が割れてるじゃねえか。 ひょろびいのももひきだ、ひょろひょろしていてビーーッと裂ける。 また、来るよ。

 道具屋君! 珍なるものはあるか? チンなら、男ですからあります。 出してみろ。 出してどうする? わしの、手の上にのせる。 ヴェッ! そこの短刀を見せろ。 短刀? 白ざやの短けえ刀があるじゃろ。 銘はあるか? 姪はいないが、神田に伯父さんがいる。 抜けないぞ。 手伝いましょうか。(二人で引っ張っても抜けない) 抜けないな。 木刀ですから、抜ける物なら、お雛様の首があります。

 後ろの鉄砲を見せろ、種子島だな。 時代がついておるが、これはなんぼか? 一本です。 鉄砲の代だ。 台は、樫の木。 金だ。 金は鉄。 値(ね)だ。 音は、ズドーーン!

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