誕生の現場に立ち会った句 ― 2009/07/25 07:25
児玉和子さんとは『夏潮』渋谷句会の幹事をご一緒させていただいている。 と、いっても、会場の手配、披講、会費の管理まで、全部やっていただいてい て、私は会の連絡と当日の司会、報告のまとめをしているだけなのだが…。
句集『白梅の家』には、その渋谷句会で誕生した句が何句も収録されている。 俳句は作者に詠まれただけでなく、句会の場で連衆に読まれ、認められて、初 めて俳句として立ち上がる。 その感動の瞬間に、立ち会った憶えのある俳句 に、こういう形で再会できるのは、嬉しいものである。
直売は分家の仕事山葵漬
拾ひたる桐の花筒固かりし
師の忌とて梅雨寒の夜を集ひける
撞球室へ続く廊下の梅雨灯
桃葉湯姉妹の如く育てられ
肌寒や渋谷流るる川痩せて
そう多くはないけれど、『白梅の家』には難しい字や、俳句独特の措辞があっ て、調べたり確かめたりして勉強になった。 榧(かや)、接骨木(にわとこ)、 皂角(さいかち)、青瓢(あおふくべ)、虎杖(いたどり)、乞巧奠(きこうでん)、 磴(とう)、灸花(やいとばな)、昃りて(ひかげりて)、切幣(きりぬさ)。
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