「良夜」と「露草」の句会2020/09/21 07:08

 9月の『夏潮』渋谷句会も「通信」による句会になり、取り纏めを前田ななさんにやって頂き、ご苦労をかけた。 9月10日投句締め切り、17日選句締め切り、兼題は「良夜」「露草」だった。 私はつぎの七句を出した。

ひとまはり池をば回る良夜かな
お隣につい声掛ける良夜かな
クラシックホテルの庭の良夜かな
残りページ気にしつつ読む良夜かな
露草や小象の行進響きをり
露草の群れて紫点々と
露草や露の真珠をころがせて

私が選句したのは、つぎの七句。
良夜かな手を振る君のなほ見ゆる   礼子
嫁ぐ娘としみじみ語る良夜なり      淳子
帰らねばならぬ家ある良夜かな     祐之
連れ立ちて浜へ出てみる良夜かな   裕子
一ト雨のすぐ通り過ぎ蛍草          和子
露草や研究棟の裏口に           礼子
露草にひらひら小さき蝶のきて      美佐子

私の結果は、<クラシックホテルの庭の良夜かな>を英主宰、孝治さん、ななさんが、<残りページ気にしつつ読む良夜かな>を英主宰、孝治さん、美保さん、<お隣につい声掛ける良夜かな>を祐之さんと正紀さん、<露草や露の真珠をころがせて>を美佐子さんが採ってくれた。 主宰選2句、互選7票、計9票だった。

主宰選にあり、互選でも人気のあったのは、以下の句だった。 初めの2句は私も選句していた。
帰らねばならぬ家ある良夜かな    祐之
露草や研究棟の裏口に         礼子
露草や双手包みのやうな苞       なな
眠りゆく母の爪切る良夜かな      美保
隧道を抜け露草の道となり       真智子