西澤直子教授は、林望先生に『好色一代男』を教わった2024/03/30 07:14

 林望さんの土曜セミナー「福澤先生にとって『女性』はどういう存在であったか」で、司会を福澤研究センター教授の西澤直子さんが務めたが、慶應女子高時代、林望さんに古典文学を習った教え子だった。 井原西鶴の『好色一代男』を読んだという。 林望さんは、大学院を出た27,8歳から慶應女子高で6年間教え、受験のためでない一般教養を学ぶ、女子高生たちは聡明で、明るい光を感じたそうだ。 林望さんは、試験に「『平家物語』を戯曲に書き直せ」というような問題を出したという。 教育学者村井実先生の指導で、慶應女子高は無監督試験を実施していた。 一度だけ、カンニングらしい答案があった。 よく出来ておとなしいのと、見て書きそうなのと、二人を呼んで話をした。 話をして聞かせたことで納得し、それだけにした。

 西澤さんは、福沢は自立が出来る女子をつくることを目指したとし、林望さんは、慶應義塾衣服仕立局(明治5年9月開設)に触れた。 慶應義塾の女子教育について、西澤さんは、大学令(大正7(1918)年公布)で、申請では女子も入学できる構想だったが、文部省が「大学を取るか、女子を取るか」と指導して、女子の入学は実現しなかった、私立では早稲田と二校が大学になった(大正9(1920)年4月)、と話した。

西澤直子さんの「福澤諭吉の女性論」については、福澤諭吉協会の2005年度読書会が当時まだ慶應義塾福澤研究センター助教授だった西澤さんを講師に「福澤諭吉の「女性論」「家族論」」をテーマとして開かれて、私はこの日記でも下記のように詳しく紹介し、『福澤手帖』第127号(2005(平成17)年12月)にも参加記、読書会「福澤諭吉の女性論・家族論」―西澤直子さんの話を聴いて―を書かせてもらった。

福沢の「女性論」、女性の一身独立<小人閑居日記 2005.11.9.>
新しい「家」の確立<小人閑居日記 2005.11.10.>
「女大学」的なものを攻撃する<小人閑居日記 2005.11.11.>
福沢の女性論・家族論は「最後の決戦」に勝ったか<小人閑居日記 2005.11.12.>
書簡にみる福沢の家族観・男女観<小人閑居日記 2005.11.13.>
「家産」と“家”の継承問題<小人閑居日記 2005.11.14.>

 また、2011年 3月26日、福澤諭吉協会の総会と土曜セミナーが交詢社であって、西澤直子福澤研究センター教授の「福澤諭吉の女性論と福澤家の女性たち」を聴き、下記をこの日記に書いている。
面白くて為になる『福澤諭吉事典』<小人閑居日記 2011.3.30>
西澤直子さんの「福澤諭吉の女性論」<小人閑居日記 2011.4.1>
固定概念“見えない規範”にとらわれている<小人閑居日記 2011.4.2.>

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