扇辰の「団子坂奇談」2005/07/29 06:56

 27日は、第445回落語研究会。 台風一過の暑い日だった。 扇辰は、よく 来てくれました、出演者の私でさえ、途中で帰ろうかと思ったのに、と。 慶 應高校が東海大相模とやっている甲子園の神奈川県予選準決勝を、1対1で延 長戦に入ったところまで見て、出かける。 追いつかれて不利かと思ったが、 家に帰ると、勝っていた。

 「猫と金魚」   五街道 喜助

 「団子坂奇談」  入船亭 扇辰

 「将棋の殿様」  柳家 喜多八

      仲入

 「擬宝珠」     柳家 喬太郎

 「祇園祭」     春風亭 正朝

喜助、9月に百七年振りという名跡を継ぐという。 師匠の家に住み込み修 業中、師匠は覚悟の上だけれど、問題はその周りだという。 困るのは、子供 さん、そしてペット。 犬、猫、鳥、亀。 犬を飼うことになると、結局その 世話が回って来る。 「猫と金魚」が短い噺で、仕方なくこんなマクラをふっ たのだろうが、差しさわりがありそうで、大丈夫なのかと思う。 本体の噺も、 面白くなかった。

扇辰、「団子坂奇談」は初めて聴く噺、季節らしい怪談だった。 団子坂から 三崎(さんさき)坂、谷中の墓地は、いま読んでいる彰義隊にもつながる。 マ クラで、ある立テ前座が楽屋のネタ帖に、「台風一過」を「台風一家」、「汲み立 て」を「組立」、「猫と金魚」を「猫と金馬」と、書いたという。 名前は言わ ない。 最近、大きな名を継がれた方の弟さん。 次男坊のノンキさだろう、 と。 本所の侍の次男坊生駒弥太郎が、団子坂の桜を見に行って、おかめやと いう蕎麦屋に入る。 そこの娘の十八になるお絹が、いい器量なのに一目惚れ して、恋煩い。 母親が、それでは嫁にとろうと話をすると、親父と娘二人の 店だから、やれないという断り。 そこは次男坊、では侍が蕎麦屋になろうと、 親方に弟子入りし、熱心に修業を始める。 本所の屋敷からは仕送りも来る。  だが、梅雨どきの夜、八つ(今の午前2時)、ボーンーーとどこかの鐘が鳴り、 暑くて眠れなかった弥太郎は、コトコトコトと、お絹が下駄の音をさせて出か けるのを、見てしまう。 三崎坂まで追いかけるが、見失う。 この後は、怖 くなるので、やめておく。