藤原正彦夫人の批評 ― 2006/01/02 08:55
元日の朝日新聞社説が「武士道をどう生かす」、藤原正彦さんの『国家の品格』 をこういうふうに使ったのは、「等々力短信」の方が早かった(エヘン―大新聞と張り合って、どうする)。
藤原さんの本で面白かったのは、奥さんが登場する個所だった。 いちばん 身近で見ている奥さんの評は、まあいずこも同じ辛口で、藤原さんの話の半分 は誤りと勘違い、残りの半分は誇張と大風呂敷だそうだ(私は文章の中に、つい 長年の寄席通いで身についたくすぐりを入れて、いい年をしておちゃらけるの はやめなさいと、いつも言われている)。 藤原さん自身は、まったくそうは思 わないけれど、そういう意見のあることは、あらかじめお伝えしておきます、 と本の始めの方に書いてある。
通常美徳とされる「正直」も、常に美徳であるとは限らない、という話で、 本当のことを言ってはいけない時、嘘をつかざるをえない時は、いくらでもあ る、という。 藤原さんの場合、とりわけ奥さんの前でそれが多い気がするそ うだ。
第三章「自由、平等、民主主義を疑う」については、私も藤原夫人の評に近 い意見を持つものだが、「平等」もフィクションだという部分で、藤原さんは小 学校の時から勉強はめざましく出来たが、女性にはいっこうにもてなかった、 と書いている。 いまだに何とかならないかと思っているけれど、世界中の女 性の目がくもっていので、どうにもならない。 人の能力はなにひとつ平等で なく、夫婦喧嘩では奥さんにすら敵わない、とある。
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