思いのほかの好成績(条件付) ― 2007/02/20 07:04
そこで17日の「枇杷の会」深川吟行で、私が句会に出した七句である。
二月午後ひつそりとして相撲部屋
深川はなにごともなし明日旧正
春の池金黒羽白つぶらな目
菰巻や松島の松整ひて
雪吊りのお役に立てず春となる
春浅し大口開ける池の鯉
みかん船紀州青石運びしや
結果は、相撲部屋に四点、明日旧正に三点、菰巻に二点、池の鯉とみかん船 に各一点と、合計十一点、善兵衛さんの集計(この会は得点上位者の発表があ る)によると、意外や意外、この日の最高点だということだった。 点数の入 った内、菰巻を除いた四句は、添削付ながら、英先生の選もいただいた。
二月午後ひつそりとして相撲部屋
は、添削していただき、
二ン月のひつそりとして相撲部屋
「午後」は説明過多。 例によって、悪いくせが出た。 高校新聞部で学ん だ5W1H、それに毎日達意の文章をめざしてブログを書いているのが、俳句で は障りとなる。 毎度、英先生の説かれるのは、俳句は共感の文学だから、言 い過ぎないように、説明しないように、ということ。 読む人が、そうだよ、 そうなんだよ、こんなこともあるんだ、と読み足し、読み解いてくれて、成り 立つ。 歌(短歌)は、その名の通り、うったえる、主張する文学。 俳句は、 それとは違う。 言い過ぎない、その按配を会得するのは経験だそうだ。
深川はなにごともなし明日旧正
「なにごともなし」が強すぎる、大事件でも起こりそう。 そこで、大幅修正。
深川の明日旧正の静かさよ
みかん船紀州青石運びしや
みかん船の「みかん」、過去の事実を季題とするのには異論もある。 紀伊國 屋文左衛門の屋敷跡と伝えられる清澄庭園は、私も知っていたが、岩崎弥太郎 が明治11(1878)年から13(1880)年に全国から取り寄せた名石を配して造 園した。 つまりこの句には嘘がある。 だが、こういう軽い遊びの句もよい だろう、というお話だった。
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