「私の三冊」に選ばれた福沢諭吉2007/04/24 07:19

 20年前の岩波文庫「私の三冊」では、福沢諭吉『福翁自伝』が多かったとい う記憶があった。 今回、福沢関係の本は、『福翁自伝』が4人、『文明論之概 略』が3人、『学問のすゝめ』と丸山眞男『福沢諭吉の哲学 他六篇』が2人だ った。 『福沢諭吉の手紙』は、まだ出てこない。

 『福翁自伝』を選んだ小説家の水村美苗さん「読みたい読みたいと思いなが ら、恥ずかしながら、最近やっと読んだ。こんな本を、新訂版(文字が大きい) が嬉しい年になるまで読まずに生きていた自分の愚が信じられない。ひたすら 信じられない。」 余談だが、文字の大きいのは「ワイド版」で、「新訂版」は もちろん文字の小さな本にもある(岩波文庫編集部は気がつかなかったのか)。  コラムニストの栗田亘さん「これは無類に面白い歴史文学であり、類書の及ば ない人生読本であり、抜きん出た「考えるヒント」である。読めば再び、再読 すれば三度読みたくなること請け合い。」

 『文明論之概略』を選んだフランス文学の海老坂武さん「西欧文明をどう受 けとめるか。福沢はこの問いを自分の思想の中心においた最初の人。政府は便 利のためにあるのであって、共和制であってもいい、という考えも見逃したく ない。」 

 サイバー大学学長・エジプト考古学の吉村作治さんは、『学問のすゝめ』を「私 たち学問を志す人間にとってのバイブル。特に今、実学が見直されている時、 明治維新時の実学を知るべきだ」と勧めている。

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