三遊亭時松の「松曳き」 ― 2014/08/31 07:10
急に涼しくなった27日、第554回の落語研究会だった。
「松曳き」 三遊亭 時松
「ろくろ首」 志ん公改メ 古今亭 志ん好
「中村仲蔵」 古今亭 一朝
仲入
「おかめ団子」 林家 たい平
「唐茄子屋政談」 入船亭 扇遊
三遊亭時松、金時の弟子だというが、金時も知らない。 大森に住んでいて、 京浜東北線に乗ったら、大井町を過ぎて「次は田町」とアナウンスがあった。 何か言うか、訂正アナウンスがあるかと思っている内に、品川に着いた。 品 川を出ると……、「次も田町」。 「松曳き」は、そそっかしい人の噺だ。 ある会に呼ばれ、20分ぐらいでという注文だったので、「三方一両損」の短 いの、「松曳き」、「ぞろぞろ」の三つを提案した。 電話で相談して、「三方一 両損」に決めた。 また連絡があって、「松曳き」時松でいいか、と訊く。 そ れでいいと答えて、「松曳き」を準備して当日出かけた。 会場に行くと、パン フレットは「ぞろぞろ」になっていた。
用人の田中三太夫に殿様が相談する。 築山の杉? 桜? いや赤松を泉水脇 に移したい、と。 餅は餅屋、職人に相談したらと、三太夫。 「これ、餅屋」 という呼びかけに植木屋、八右衛門が風邪引きで、代りに来ている倅の八五郎 は、聞こえぬふりをする。 三太夫が事情を説明、殿様は改めて、八三郎? 八 太郎? 八十郎? どうだ団十郎、と。 御前だから、「お」と「たてまつる」 で丁寧に答えよといわれて、まったく通じず、ざっくばらんでいいということ になる。 ちゃんと根回しをし、酒とスルメの二、三枚やっておけば、植え替 えは大丈夫とわかり、ササは食べるかの酒宴となる。
酒宴の最中、三太夫にお小屋から火急の用事、国表から早飛脚で書面が来て いた。 読もうとするが、薄墨で読めない。 裏返しだった。 「御殿お姉上 様ご死去」とあって驚愕、殿様に人払いしてもらって言上するが、「何時何日(い ついっか)のことか」と訊かれて、分からない。
小屋に戻り、その手紙を懐に入れていたのを忘れて、さんざん探す。 よう やく見つけて見れば「御貴殿お姉上様ご死去」だった。 「いさぎよく一服し て」というので、家来が煙草盆を差し出せば、「切腹」だった。 「九尺二間」 いや「九寸五分」だという大騒ぎ。 殿様に正直に申し上げれば、あるいは一 命を落とさずに済む場合もあるかもしれないと、家来が諌める。
だが殿様は激怒して、「目どおりかなわぬぞ、何という奴じゃ」と、切腹を命 ずる。 田中三太夫が、御前を下がろうとすると、「待て待て、切腹には及ばぬ ぞ、よーく考えたら、余には姉はなかった」
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