荻野アンナさんの「ムダ口の効用」2006/01/09 08:50

 NHKの「知るを楽しむ」木曜“日本語なるほど塾。”の12月は、荻野アン ナさん(作家・慶應義塾大学文学部教授)の「ムダ口のススメ」だった。 フラ ンス文学は、フランソワ・ラブレー(1483?・94?~1553?)の研究者で、「背負い 水」で芥川賞も受けているが、 ダジャレで知られ、金原亭馬生(十一代目・せ んは馬治といった)の弟子として金原亭駒ん奈という芸名を持つ二ツ目でもあ る。

 12月8日の第1回は「悪徳商法から身を守る!~ムダ口の効用~」。

 ムダ口の効用、(1)殺人事件が減る。…ここ10年~20年、ささいなことから、 キレる、むかつく子供が増え、殺人にまでつながっている。 墨絵を飾って接 待役をしくじった「忠臣蔵」の浅野内匠守も生真面目に過ぎた、吉良に「墨絵 ません」と言えばよかった、吉良も脱力しただろう。

 (2) 悪徳商法にだまされない。…立ち止まって、考えることが出来る余裕が できる。 眉につばをつける。 ムダ口を聞いたり、言ったりする訓練の必要。

 (3)お金持になれるかも。…ひとを乗せやすくなる。 得得商法。 香具師の 口上は、セールス・トークの原点であると、故坂野比呂志さんの「ガマのあぶ ら売り」の口上を紹介し、一、あいさつ、二、モンスター登場、三、あぶらを たらすガマ、四、効用・実験、と分析した。 演じる側にも、見物側にも余裕 があった。 見抜けない時は、半分ないし三割、信じる。 嘘か、本当か、の 二者択一でなく「いい加減」に信じることが大切。