イラク自衛隊派遣と報道規制2006/10/13 07:58

 9日付朝日新聞朝刊は「新聞週間」特集を組んだ。 きのう名前の出た外岡 秀俊東京本社編集局長の「読者の皆様へ」という文章がある。 朝日新聞は4 月に東京本社編集局長を2人制にし、管理担当のゼネラルマネジャー(GM) と、紙面に専心するゼネラルエディター(GE)に仕事を分けた。 外岡さんは ゼネラルエディター、記者集団の総力を挙げて、読者のための「権力への監視 役」という新聞の使命を果たすために、読者の視点と立場で日々、同僚に疑問 を突きつけ、注文をつける役回りだという。

 読者モニターの意見を統括する紙面オンブズパーソンがいて、重要な問題に ついて、社内でも独立した立場で編集局に「勧告」する。 外岡GEが、この 半年の代表例として挙げているのが、「イラクへの自衛隊派遣についての検証記 事」と「自衛隊による報道規制についての検証記事」だ。 前者は、昨日私が まとめた川上記者の報告になったわけだ。(紙面オンブズパーソンが、立花隆さ んの意見によったかどうかは、分からない) 後者は、この日の「新聞週間」 特集で、つぎのように検証されている。

 2年半のイラクへの自衛隊派遣期間中、「部隊の安全確保」を理由に公開する 情報を制限しようとする政府・防衛庁と、「国民の知る権利」を掲げるメディア が対立する場面もあった。 2003年12月26日、航空自衛隊の先遣隊の一部 が出発。 2004年1月9日、石破防衛庁長官が報道各社に現地取材の自粛を 要請。 16日、陸上自衛隊先遣隊イラクへ出発、2月8日、陸上自衛隊本体第 1陣約60名サマワ到着。 3月11日、防衛庁と日本新聞協会などが「イラク 取材ルール」に合意。 そこには「安全確保などに悪影響を与えるおそれのあ る情報については、防衛庁または現地部隊による公表または同意を得てから報 道する(それまでの間は発信及び報道は行なわれない)」との項目があった。 それで、この検証記事の見出しは以下の通り。 「自衛隊派遣 取材に壁」「突 然「撮影は中止です」」「記事減ると一転「広報」」。