シンポジウム「中高年世代と日本の可能性」2023/07/16 07:52

 「学問の大衆化推進会議第4回公開シンポジウム」、書き洩らしたが「中高年世代と日本の可能性」というテーマだった。 遅ればせに気が付けば、やはり「世の中ついでに生きていて」、どうしても日本を背負わなければと言われれば、「信州の軽井沢あたりを」という私には、やはり荷の重いテーマだった。 自分が最後に話さねばならなかったため、聞く方はおろそかになったが、いくつか覚えていることを書いておく。

 志柿俊朗さん(東京大学特任研究員・理学博士)「歴史は繰り返すか―気候変動と人類―」。 お住まいの神奈川県寒川町に岡田遺跡という縄文の巨大集落遺跡があり、青森の三内丸山遺跡に匹敵する規模なのだそうだが、知らなかった。 縄文の時代の終わり、3200年~2000年前、寒冷化の影響で人口が1/3に減少した。 現在、米や野菜や果物、魚も、温暖化の影響で、生産地が北にずれている。 最低限の食料は、地域内で確保することを考えていかねばならない。

 篠崎哲雄さん(公認心理師・工学博士)「社会貢献と平和主義」。 人は愛するに足り、真心は信ずるに足りる。 中村哲さんは「墨子」を読め、と(私は、半藤一利さんの奥さんへの遺言と同じだと思った)。 人を愛し社会を愛し、カウンセリング(傾聴し、褒める)や、地域で子供を育てる活動をしている。

 高橋信一さん(古写真研究家・工学博士)「世の中の古写真の嘘を追及する―いつ・どこ・だれ・なにの真実を求めて―」。 西郷隆盛、唐人お吉、龍馬の妻お龍、それぞれの偽写真を綿密に考証した。 私はW・K・バルトンが日本で写真術に関しても貢献していたこと、最初の「笑顔の写真」を探したこと、ベアト、上野彦馬、小川一真などについても書いていたので、興味深かった。

 橋本壽之さん(NPO法人マイスターネット理事長・リーダーシップ研究アカデミー主席研究員)「『先の見えない人生』とウェルビーイング」。 華僑の生き方に注目する。 質の高い情報の共有と助け合い、固い結束、生活物資の確保。 Educationを福沢諭吉は「発育」、大久保利通は「教化」、森有礼は「教育」と訳した。 先の見えない時代、デンマークやフィンランドの教育、自ら答を見つけるファシリテート(促進する)を重視。

 小室正紀さんの講演は、また明日。