『インビクタス 負けざる者たち』を観て2010/02/03 06:46

 ネルソン・マンデラ(1918~)、南アフリカ共和国の反アパルトヘイト運動 の指導者。 27年間のロブン島での獄中生活ののち、1990年デクラーク大統 領率いる政権によって釈放。 94年、初の全人種による選挙で、初の黒人大統 領となった。 95年、その南アフリカで開催されたラグビーのワールドカップ で、前評判が最悪だった南ア代表チームは初出場で快進撃をつづけ、初優勝を 果たした。 『インビクタス 負けざる者たち』は、クリント・イーストウッド 監督が、その実話を映画にしたもの。 マンデラ(モーガン・フリーマン)の 「インビクタス(征服されない)」「私が我が運命の支配者、我が魂の指揮官」 という不屈の精神、「恨みや復讐からは何も生まれない」“One country, One team”という寛容の信念は、南ア代表チーム(黒人はたった一人だけ)のキャ プテン・ピナール(マット・デイモン)に伝わり、奇跡が起きる。 人種の壁 を越え、南アフリカ共和国は一つの国にまとまるのだ。 感動的な、清々しい 映画だった。

 映画を観ながら、クリント・イーストウッドの次回作が、その後ろに映って いるのを感じた。 2011年、グァンタナモの収容所を出獄したヨハネ・リョウ マ・フセインが、国連で演説、そのマハトマ・ガンジーとマザー・テレサを合 わせたような人格、アメリカに恨みを持たない和解と、諦めなければ“One world, One government”が実現可能だと説いたのが、世界中の感動を呼ぶ。 IT技術を駆使した全地球民投票の結果、新国連たる世界連邦事務総長となり、 拒否権のある常任理事国を廃止、戦争のない平和で平等な世界が実現する。 オ バマはアメリカ支部長、プーチンはロシア支部長、胡錦涛は中国支部長、鳩山 は日本支部長となった。 そうして世界が栄えた、めでたし、めでたし。