文久元年創業のお寿司屋さん2010/02/27 06:43

 23日、皇居周辺をウオーキングした。 皇太子殿下の50回目のお誕生日を 祝賀するためではなかったのだけれど。 三番町の小川美術館(彌生画廊)毎 年恒例の「有元利夫展」が主たる目的だった。 前夜、どこかで昼飯をと考え て、思い出したのが、以前テレビで見て、一度行ってみたいと思っていた九段 下の「寿司政」だった。 半蔵門で降り、きんつばの一元屋に寄って、村上開 新堂の前を通ったら同期のM子さんが注文のケーキか何かを受け取って、出て 来たところにバッタリ(ブログ見てますか、とメールモード)。 筆紙の平安堂 を覗き、靖国神社の前の花田で家内の茶碗と箸を買う。

 約束の11時半に「寿司政」へ入る。 文久元年に日本橋で創業し、神田の 歌舞伎小屋・三崎座で営業、震災で現在地に移ったという老舗だ。 文久元年 (1861)といえば、福沢が咸臨丸でアメリカへ行った翌年、築地鉄砲洲から芝 新銭座に転居して結婚した年で、今の九段会館の所にあった蕃書調所に通って いたかもしれず、将軍に降嫁の和宮は江戸に着いて九段清水徳川屋敷に入って いる。  洗い上げ磨き上げた、白木のカウンターと磨り減ったテーブルに、職人さん の心意気を感じる。 予想に違わず、ネタがよくて美味しい。 江戸前の穴子、 酢〆の小肌、茹でた車海老、薄い卵焼きなどは、江戸の形を伝えているのだろ う。 シャリには赤酢を使っている。 しじみ汁も近来にない味だった。 握 ってくれた店長が花田の紙袋を見て、器の話になる。 カウンターで使ってい る醤油の小皿が、オーナーの好みで、備前の元来は皿でない、窯で使う道具だ ということだった。 面白い。 壺の口に灰が入らないようにする蓋か、器同 士がくっつかないように挟むかい物だろうか。

 ネットで九段下の地図を出してみて、北の丸公園の清水門から入ったところ に吉田茂の銅像があるのを知った。 腹がくちくなったので、それを見に行く ことにする。