圓太郎の「へっつい幽霊」 ― 2010/09/02 06:37
道具屋の店先の竃(へっつい)、3円で売るが、夜になると必ず引き取ってく れと言ってくるので、半値の1円50銭で引き取って、何度も儲かる。 中に は、ここへ泊めてくれ、お前(店主)がウチに行って寝ろ、俺はお前の女房と 寝るというのまでいる。 その内に、竃から幽霊が出るという噂が広まり、客 が来なくなる。 1円付けても処分したがっていると聞いた渡世人の熊、長屋 の共同便所で紙を落とした時に、通りかかった箸屋の若旦那で遊びが過ぎて勘 当された銀ちゃんと組んで、竃を銀ちゃんの所へ放り込む。 角が欠けて、十 円金貨で300円出て来る。 150円と50銭ずつを山分けし、銀ちゃんは吉原 で、熊は賭場で、あくる日の夕方までに全部使って、お互いに相手から借りよ うと考える。 竃から「金、返せー」と、幽霊が出る。 熊は、銀ちゃんの実 家へ行き、おっ母さんに事情を話して金貨で300円出してもらい、銀ちゃんに 潮時だウチに帰りな、と言う。
熊の家に運んだ竃から出た幽霊に、熊は向う脛をかっぱらうぞ、死んでいる 人間がまた死ぬと、生き返るか、という(落語はシュールで、哲学でもある)。 話がぶっそうだと幽霊が、自分は左官の長五郎、「丁」ばかり張る博打好き、稼 いだ300円を円高で損をしてもいけないと、竃に塗り込んで、河豚に中って死 んだ話を聞いてくれたのは、初めてだ、落語家さんの気持がよくわかる。 300 円返してくれ。 熊がこれは俺の竃だ、出る所へ出て話をつけよう、というも のだから150円ずつ山分けすることになる。 幽霊は、半端な150円で極楽へ 行けるかなと考え、勝負することに。 死ぬ気になればと、そっくり「丁」に 張る。 負けた幽霊が「もう一丁」というのを、金がないのによそうじゃない か、と熊。 「幽霊だけに、けっして足は出しません」
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