社会の進歩に貢献する大学教育 ― 2012/01/15 05:13
清家篤塾長は、そこから大学教育の価値について、考える。 慶應義塾は、 教育、研究、医療で、社会の進歩に貢献しなければならない。
まず、大学教育の経済的な価値。 第一は、投資の価値。 大学教育には、 費用がかかる。 授業料や、高卒で就職した場合に得られたはずの所得(機会費 用)。 高卒と大卒の生涯所得の比較は、労働経済学で山のように計算されてい る。 収支はプラスと考えられている。 第二に、消費財としての価値。 課 外活動のエンジョイ、学問の楽しみ、叡智を付加する喜び。 第三は、公共財 として価値。 社会の生産力を高め、層の厚い中間層を生み出す。
同時に大学の価値は、経済的な豊かさだけではない。 非経済的価値もある。 今日の福沢先生誕生のお祝いも、そう。 年の初めに社中が集い、気持を新た にし、慶應に学んでよかったことを実感し、一年をスタートできる。 三田会 の活動も、そう。 福沢精神を身につけ、「よく生きる」ということ。 これら は、お金では買えない。 この会も、入場券を売ったとすれば、その価値はゼ ロになる。 よい友人、よい先輩、よい後輩に会える学校、社会に貢献してい る学校。 その為には、よい学生・生徒を集めることが不可欠だ。 教育の消 費者であるだけでなく、慶應の質を高める生産者(存在)でもある学生・生徒を。
われわれが、ブータン国王ワンチュク陛下が言われた「よい人生」を歩いて いるのか、社会の進歩に貢献できるのか、気になる。 慶應には「半学半教」 の伝統があり、それは慶應のあるべき姿を示している。 大学の価値は、共に 作り上げていくもので、お金では買えない。 福沢先生は、プライスレスだ。 慶應義塾は、「学問」によって、自分の頭で考えられる人材をつくり、社会に貢 献していきたい。
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