小せんの「ふぐ鍋」2016/01/03 07:33

 今年もあとわずかだが、実感がわかない、暖ったかい日が多い師走だ。 坊 主頭で、細身、長身、寒いのが苦手、骨の芯まで冷える。 炬燵、コート…、 布団から出られなくなったら、冬だという。 自分、個人としては、白菜が安 くて、美味しくなったら、冬。 これ板橋でやったら賛同が多かったが、国立 では駄目。 鍋をドーーンとやって、残りを夜食で食べ、翌朝食べ、カレーに したりして、また食べる。 カブおろした氷瀑鍋(?)がいい。

 ふぐのことを「てっぽう」、刺身を「てっさ」という。 弾に当ると、死んで しまう。 たまーに、中る。 提供している側が「てっぽう」といっていると、 間違いがあるのかしら、と思うけれど、昔はあった。

 大橋さん、来てくれましたか。 旦那、橋本の旦那のお供で温泉巡りをして まして。 どちらへ。 北海道の登別から、南紀の白浜、草津、道後、熱海を 廻って、指宿へ。 ずいぶん、行ったり来たりだね。 旦那に召しあがってい ただきたくて、お土産を、登別で銘菓・東京ばなな。 何で? 東京物産展と いうのをやってましてね、見知った人に出会った感動があった。 (一杯やる 形で)こんなことをしていたんだが、用事あるのか。 いいえ、旦那の貸し切 りです、昼間っから飲みたいなって、思ってた。 アーーッ、おなかに届いた 幸せ。 何という酒で? 銘酒、犬の盛り。 珍しい。 イカの塩辛はどうだ。  大好物だけれど、駄目なのは駄目。 旨い! つかり具合がいい、どこの塩辛 で? 瓶にあるだろう。 栃木県宇都宮、海がなくてもいいんで?

 鍋は食べるかい? 大の好物でございまして、何鍋で? 鍋だよ。 白菜、 ネギ、白滝、豆腐…、それに白い物が入っている。 気にするほどの物ではな い。 何です? これはまあ「ふ」だ。 「ふ」? ふぐだよ。 やっぱり…、 わたし、用事を思い出しましたんで、また。 ふぐを食べるには、まだ時期が 悪い。 倅が、旦那のお世話で、就職したばかりで…、いずれ嫁をもらって、 孫が生まれて、一人前になってから、ふぐは頂きたい。 おべんちゃらも、口 だけなんだな、もういい、二度と家に来るんじゃない。 旦那が、先に召し上 がって下さい。 気味が悪い、この年になってやったことがない。 誰か見え たら、食べてもらって、それから食べたいと思ってね。

 いつもの御薦(おこも)さんが来て、お余りをって、言っていますが。 ち ょっと待ってもらいな。 御薦さんに食べてもらって…。 さすが旦那、腹黒 い。

 見届けました、大丈夫です、神社の石段で食べようとするところ、あとで気 持良さそうに居眠りをして、寝言をムニャムニャ言っていた。 よしよし、食 べられるんだな。 間違いない。 一、二、三(ひの、ふの、み)で、一緒に 食べよう。 身の厚い所、一、二、三で。 口開けて、呑まない。 一、二、 三! これは、美味しいな。 旦那、美味しゅうございます。 どんどん遠慮 せずに、こうなったら、ハフハフハフ。 鍋の後は、雑炊にして…。 美味し い、美味しい。

 御薦さんがまた来て、お余り、もうありませんかって、言ってますが…。 二 人できれいに平らげた。 では、私も安心して、これからゆっくり、頂戴を致 します。