はつなつの風、横浜元町・山手2007/05/26 07:46

 「枇杷の会」横浜元町・山手吟行の句会で、私が選句用紙に選び出したのは 次の句で、最終的に○印を付けたものを選句した。 当然のことだが、作者の お名前が判明したのは、あとからのことだった。

 ○日傘すこし持ち上げて風躱(かは)すかな  英

  玫瑰(はまなす)のおほらかに空仰ぎけり  洋

 ○夏立つや海渡りきしマリア像        洋

  薫風がかいがら坂をくねり落つ       英

  噴水に風よろめいては直り         英

 ○山の手の外人墓地なるバラの白       啓司

  バラ園に女ばかりの宴かな         啓司

 ○若葉より出づる弓手(ゆんで)の白さかな  洋

 ○風薫るフェリスも近きこのあたり      知水

 私が選句したもの以外で、主宰に選句された句と人気のあった句。

  猫二匹寝そべってゐる薄暑かな       洋

  薫風や膨みの無き旅鞄           洋

  洋食屋の軒をかすめる夏燕         英雄子

  夏霞千葉迄見ゆる丘の上          啓司

港見下ろす銘々の手に氷菓         知水

  元町や滴りも運河も近く          知水

 むかし横浜生れの版画家・川上澄生は「はつなつのかぜとなりたや」と歌っ た。 さわやかに晴れた、はつなつの横浜元町・山手の風を、お届けできれば 嬉しい。