中国の軟着陸と日本2007/05/19 07:08

 中国経済の存在感の大きさは圧倒的になった。 国分良成教授は、前日イギ リスから帰ってきたそうだが、イギリスではアジア人の学生から3倍の授業料 を取るようになっている、中国人・インド人は金を持っていて、年に800万~ 1,000万円を個人で出す。 中国のGDPの半分以上は貿易で、外国系企業から の税金が税収の何十%かになる。 外国企業も引くに引けなくなっている。 利 害関係は一致し、中国内外の経済は相互依存関係にある。

 経済、社会、意識の根本的変化が進んでいるのに、政治は古いまま=共産党 独裁だ。 権力の継承について、次の代表を選ぶメカニズムがなく、ずっと前 任者による裁定でやってきた。 中国はこんな時代じゃないのに、政治だけは そのままになっている。 国民が参加していないところで(密室で)、それを決 めていいのか、というのが国分教授の疑問である。 政治改革が必要なのだ。  教授は自民党総裁選のようなものでも考えられないかという。

 上海の1人当りGDPは1万ドル、沿海地域は豊かになっており、優秀な人 材は世界に飛び散っている。 豊かになった人と地域は、もう後戻りすること はない。 経済はものすごく潤っているが、それをいかに分配するか、分配の メカニズムがおかしくなっている。 一部エリートに既得権益が集中し、猛烈 な格差社会になっている。 社会の弱者をどうするかが、これからの大きな課 題だ。 公表されているだけで、年に10万件の抗議行動が起きている。 「ガ ラガラポン」が何時来るか。 中国をうまくソフトランディングできれば、ノ ーベル経済学賞・平和賞の同時受賞ものだ。 今年の日本の就職が良いのは、 中国が潤っているからだ。 中国の問題は、われわれ自身の問題なのだ。 も ちろん中国の自助努力が必要だが、それを側面からサポートすることが大切だ。  日本が出すのは、金でなく知恵だろう。