盛邦和教授の「中国と日本の近代化比較」2007/05/12 07:06

5月9日の三田・演説館

 9日、三田の演説館に福澤研究センターの講演会を聴きに行った。 盛邦和 上海財経大学教授(同大日本亜州研究中心主任・歴史学研究所所長)の「中国 と日本の近代化比較」であった。 レジメが中国語だったので、そうだろうと 思っていたのだが、中国語の講演で、センター研究嘱託の巫(ふ)さん(?交 通渋滞で遅刻、開演が遅れた)が通訳した。 通訳を通じての講演はむずかし い。 集中して聴いたつもりだが、隔靴掻痒の感は免れない。 以下は、その 怪しげな理解による話である。

 講演自体は、日本に非常に好意的で、少しも教条主義的なところがない。 東 アジア文化圏を、内核文化の中国、半外縁文化の韓国など、外縁文化の日本、 ととらえる。 中国は、人種、文化の源泉で、漢字、儒教思想、生活様式(箸 など)の発信地であり、平原の地形でアジア的生産様式を営む農耕経済地域で あった。 土地の私有制は存在せず、原始的土地所有、国家的所有(公有)制 があった。 これが古いアジアの最大の特徴で、公有制に停滞したまま私有制 に進まない。 日本は、そうではない。 若さ、生命力、複合性、接木的特徴 がある。 福沢の説いた発展段階によれば、農民から市民の社会へ、原始公有 制から私有制へ、と進んだ。 ここに近代化に対する異なる二つの態度がある。  祖形アジア文明の伝統を(1)継続するか、(2)破壊して改造するか。 福沢 は「脱亜論」で、陳腐な伝統を捨て、離脱することを提起した。

 福沢と同時期の中国に梁漱溟という思想家がいた。 彼はアジア内核文化回 帰論を唱え、自由主義に反対、アダム・スミスの『国富論』に反対、資本と市 場に反対した。 保守的で、農民・地主を代表し、古い農耕文明を代表してい た。                               (つづく)