盛邦和教授の「中国が日本に学ぶもの」2007/05/13 06:31

 盛邦和教授の講演の続き。 ここからがすごいのだが、聞き手が頼りない点 は、ご容赦。 誤解があれば、その責任はすべて当方にある。

戦後、現代化の三つの波があった。 第一波、60~80年代・日本の時代。 第 二波、70~90年代・東南アジア新興工業国家の時代。 第三波、90年代から 現在・中国の時代。 中国は20年間続けて高速発展をしてきたが、これから 三つの山を乗越えなければならない。 伝統の危機、社会の危機、経済の危機 である(この辺をきちんと聞きたかったが、よくわからなかった)。 とりわけ 貧富の格差、内陸と沿海地域の格差の問題は深刻である。 日本は、すでにそ の三つの山を越えた経験を持っている。 それは中国にとってよい見本で、日 本に学ばなければならない所がたくさんある。 中国は今や、内核文化とはい いきれない。 東アジア経済圏の外縁にある。 自分を閉じる精神から、扉を 開く精神へ。 伝統の固執から、新たな文化の受容へ、農業から工業へ、大陸 文明から海洋文明へ。

 儒教の思想(儒家思想)の中心は(1)天下公平(2)公平分配(3)内面改 善(善を強調する)で、人の道の道徳を説くその大道思想(?)は空想社会主 義である。 中国が社会主義を選択したのは必然であった。 儒家文化の中心 をなす理性や善というよい部分を大切にして、世界の先進文化と調和していき たい。

 中国と日本は歴史的にも友好的な関係にあった。 「和」をもって、長くつ きあっていかなければならない。 世界の中心は歴史的に、スペイン→イギリ ス→アメリカと進んで来た。 新たな中心は、古い中心の近くにあった。 つ まり世界の中心は、内核から外縁へと移って行く。 第4番目の中心は、太平 洋の時代になるだろう。 中国と日本の二つの国、二つの人類(種)の融合体、 日本の経済と華人の東南アジア経済(上海は外縁文化)だ。 温家宝首相の日 本正式訪問によって、日中は春を迎えた。 この五月は、素晴しい季節である。