季題「薄暑」に二つの見方2007/05/15 07:38

 「薄暑」と「桐の花」の句会で、私が選句したのは次の七句。

  カフェの椅子カフェのパラソル薄暑かな     輝美

  交番に人だかりして街薄暑           ひろし

  二の腕のちりめんじわよ薄暑来る        早苗

  きり出されし別れ話や芝薄暑          英

  空うつす田の広々と桐の花           早苗

  桐の花目あてに来よと友の文          秋(しゅう・和美改メ)

  桐の花見上ぐる丈となってゐし         ひろし

 「カフェの」の句、主宰は二か所とも「カフェに」と手を入れる。 その方 が、色合いや大きさが出る由。 「交番に人だかり」は、ややアンニュイな気 分、と。 「薄暑」という季題、私などはちょっと鬱陶しい感じに思っていて、 その線で作句もし、選句もしたのだが、明るい爽やかな季節の到来を感じる見 方もあるそうだ。 美保さんの季題リポートによれば、「薄暑」は大正の末年に 初めて例句が登場する比較的新しい季題で、季節の移ろい、季節の替り目を大 事にする気分がある、という。 例句の中の、

  街の上にマスト見えゐる薄暑かな    中村 汀女

  個展いで薄暑愉しき街ゆくも      水原 秋櫻子

  薄暑来ぬ人美しく装へば        星野 立子

などは、爽やか「薄暑」だろう。 主宰のお話では、どちらとも確定はしてい ないのだそうだ。