最初のワーナー日本『最後の忠臣蔵』2010/12/28 08:37

 『レオニー』の次に観た映画は時代劇、『最後の忠臣蔵』である。 でも、ワ ーナー・ブラザースのマークが出る。 MGMやパラマウントや20世紀フォッ クスと共に、懐かしいマークだ。 ワーナー・エンタテイメント・ジャパンの 第一回製作作品なのだそうだ。 監督はテレビ『北の国から』の杉田成道、原 作は池宮彰一郎、脚本は田中陽造。

 討ち入り前後に、大石内蔵助(片岡仁左衛門)に極秘の使命を受けて出奔し た二人の武士、瀬尾孫左衛門(役所広司)と寺坂吉右衛門(佐藤浩市)の16 年後の物語だ。 寺坂は、討ち入りの真相を後世に伝え、諸国で暮す四十六士 の遺族を支援する為。 孫左は、孕んでいる大石の妾可留(かる)とやがて生 れる子を守る為。 親友だった二人は、相手の使命を知らぬまま、裏切り者、 卑怯者という汚名に耐え続けてきた。 生き残った者の方が、背負うものが大 きかった。 近くに住む元島原の太夫夕霧のゆう(安田成美)の助けを受けた 孫左に、立派に育てられた可音(かね・桜庭ななみ)は、密かに孫左に恋心を 抱いている。 可音は人形浄瑠璃「曽根崎心中」を観劇中、豪商茶屋家の親子 に見初められ、縁談が舞い込む。

 元禄事件の七年後に『祗園可音物語』―大石内蔵助の隠し子の顛末―なるも のが、世に出たのだそうだ。 可留は、『仮名手本忠臣蔵』の「お軽」なのだろ うか。 『広辞苑』の【お軽】は、「山崎の与市兵衛の娘、早野勘平の妻。夫の 用金調達のため、身を祗園の一力楼に売る。」

 可音の桜庭ななみ(18)、素人っぽい、清純さが、いい。 婚礼行列で、旧 赤穂藩士がぞくぞく挨拶に駆けつけるのに、会釈するシーンでは、ご家老の隠 し子のお姫い様らしい凛としたところも見せていた。 テレビで見た初日舞台 挨拶で「誕生日も11時までリハーサルをさせられ、監督のことを『コンチク ショウ』と思ったけれど、これが終っても、監督も、役所さんも、佐藤さんも、 私のことを忘れないで下さい」と泣いて、「孫左」役所広司に「(鼻を)チン、 としなさい」と、ハンカチを渡されていた。 チケットを買ったら、「ゆうちょ 家族」のクリアファイルをくれた。 目立たない顔だが、大河ドラマで「岡田 以蔵」をやった佐藤健の妹役が、桜庭ななみで、今やCMの売れっ子なのだと いう。