金原亭小駒の「後生鰻」2010/12/30 07:49

27日は、今年最後の落語研究会だった。

「後生鰻」    金原亭小駒

「厄払い」    柳家三之助

「味噌蔵」    瀧川鯉昇

       仲入

「稲川」     林家正蔵

「富久」     柳家権太楼

 小駒は、柳亭市馬が落語協会の副会長になったという話をして、自分も落語 協会のインターネット落語会の司会をしたり、ホームページ委員会に所属して、 メルマガの担当をしたりしているという。 先日もメルマガで、この落語研究 会を映画にした「シネマ落語『昭和の名人』」(八代目・桂文楽、六代目・三遊 亭圓生、十代目・金原亭馬生、三代目・古今亭志ん朝)の、東劇の招待券をプ レゼントする企画があった。 松竹提供の20枚に500人余の応募があった。  自分も試しに応募したら、抽選の結果、当選してしまった。 お詫びしておき ます、映画を観て勉強になったので、当らなかった人は、あいつは俺が育てた んだと、言って下さい。  池袋演芸場の「福袋の会」で「後生鰻」のネタおろしをした。 その日は妻 に子供が生れそうで、寄席に行く前に助産院に送って行った。 女の子が産れ たと連絡が入った楽屋で、「後生鰻」を演るというと、お前はひどい奴だと、言 われた。

 「後生鰻」、あくどい商売もした男が、楽隠居の身分になって、信心深くなり、 楽しみは寺や神社のお参り、虫も殺さぬ、子供が虫を捕まえていれば、逃がす ように言う、浦島太郎の了見。 神田明神前の鰻屋で、今まさにウナギを裂こ うとするのを、ウナギは虚空蔵菩薩のお使い姫だと二百文で買い、嬉しいから のた打ち回っていると、「南無阿弥陀仏」、前の川へザッブーン。 明くる日は、 ドジョウを柳川鍋にしようとしているのを四百文で買い、前の川へザッブーン。  毎度有難うございますと言われた次の日は、スッポンの首を切って生き血を取 るというので、ナチスかお前は、と買って、スッポンに手を噛まれ、放せ、血 が出た、前の川へザッブーン。 毎日、毎日、手をかけないものを、好きな値 段で売って儲かり、しまいには小さいドジョウを一両で売った。 隠居も元商 人、気が付いて、鰻屋の店の前を通らないようになった。 しかしある日、鰻 屋が煙草をぱくーり、ぱくーりやっていると、ご隠居が来た。 店が休みで何 もない、慌てて「赤ん坊を寄越せ」、俎板に乗せ、裂いて蒲焼にするというので、 財布ごと渡し、「お前は、鬼か、邪だ。南無阿弥陀仏」、前の川へザッブーン。

 小駒、噺を追うのに一生懸命で、面白いというところまでは行かなかった。  鰻屋にドジョウやスッポンがあるのか、安目の店だなとか、三日目のスッポン の値段を言わなかった(忘れた?)のが、気になった。