「セーター」と「水鳥」の句会2008/12/16 07:12

 「驕る平家は久しからず」、三の酉の吟行で主宰に四句も採ってもらって「御 の字」などといっていたのも束の間で、11日の「夏潮」渋谷句会は哀れ、ご愁 傷様となったのであった。 兼題は「セーター」と「水鳥」、投句した七句を掲 げて、恥を晒す。

セーターを編まなくなりてこころ枯れ

アランセーターざつくりと着て歯は白し

セーターのHの文字の気にかかる

コンビニへセーターのまま駆けて行き

放心の水鳥風に流されて

水鳥の光る水尾曳き行き交へり

浮寝鳥見てゐる内に眠くなり

 「セーター」に、身近という油断があったのもしれぬ。 「水鳥」は吟行で 訪れた清澄庭園や浜離宮のことを思い出してつくった。  結果は〈セーターを編まなくなりてこころ枯れ〉を、ただ一人松子さんが採 ってくれただけ、当然主宰の選もゼロという惨敗だった。 松子さんが採って くれなければ、いわゆる「スコンク」となるところで、松子さんに救われた。  平成二十年を締めくくる句会として、ガツンと一撃、深い反省と新年の研鑽を 求められることとあいなった。