左龍の「甲府い」2010/05/04 10:17

 5月2日、3日の日記の発信時間が変則的になったのは、実はその両日、諏 訪神社の御柱祭に行っていたからだった。 それで「甲府い」を通り、現地で 一緒になった4歳の坊やが「甲府い、おまいり、がんほどき」と唱えていた。  実は御柱祭に行くことになったのも、落語に関係があったのだが、御柱祭につ いては、第502回・落語研究会のあとで書くことにする。

 甲府の在で、伯父伯母に育てられた善吉、一旗挙げるべく、書置きを置いて、 身延山に願掛けし、江戸へ出て来た。 浅草寺の人ごみで、ドーンとぶつかっ たのが、きんちゃっきりで、一文無しになる。 翌朝、腹を空かして豆腐屋の 店先の、湯気の上がっている卯の花に手を出し、小僧の金公に頭を叩かれる。  主は事情を聞いて、同じ法華の宗旨と知り、飯を食わせ、たまたま都合で辞め ることになっていた金公の代りに、善吉を雇うことにする。 主夫婦には娘の お花がいる。 この善吉、くるくるよく働く男で、重い荷物をかつぎ、この店 独特「生揚げ」を言わない「豆腐い、ごまいり、がんもどき」と売り歩く。 人 間に愛嬌があり、売り先の洗濯の水を汲んだり、泣く子供に懐の一文菓子を渡 したりするので、かみさん連中や子供たちにも、めっぽう評判がよく、店の商 いも繁昌する。

 そして三年、主がおかみさんに、二十歳になったお花の婿に善吉はどうだと 切り出すと、母親はもうお花に聞いてあった。 お花は、お父っつあん、おっ 母さんにおまかせしますと、真っ赤になって、畳にのの字を書いた、という。  主が、すごく恐い顔で「善公、こっち来い」と呼び、お前さえよければと、話 をする。 「どうぞ、よろしく」と言われて主、小さな声で「せがれや」。 左 龍は熱演、一生懸命にやっているのがよく伝わったが、このあたりが特によか った。

 幸せな夫婦になったが、親の心配は善吉の働き過ぎ。 少し休んだらどうだ、 花見、旨い物、寄席で落語なんかどうだと言われ、善吉はお父っつあんにお願 いがある、国に帰って墓参り、伯父伯母に報告したい、と。 お花も連れて出 掛ける若夫婦に、珍しいこともあるもんだ、どちらへと訊く客のおばさんに善 吉が売り声で言う、4歳の坊やも(「日本語で遊ぼう」でだろう)知っていた台 詞は何でしょう?

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