きん歌の「崇徳院」2010/05/03 22:07

 4月30日は、第502回の落語研究会だった。 ようやく暖かくなって、天 候が本来に戻った、と言い交わすような日であった。

 「崇徳院」     三遊亭 きん歌

 「甲府い」     柳亭 左龍

 「ねずみ」     立川 志の輔

       仲入

 「蛙茶番」     春風亭 一朝

 「粗忽長屋」    柳家 小三治

 新年度の初回、志の輔と小三治、きん歌曰く一人でもチケットの取り難いの が二人も出て、満員札止め、大入袋が出たそうだ。 その熱気と緊張感が、当 然ほかの出演者にも伝わり、すこぶるつきの素晴らしい会になった。

 きん歌は出囃子が「草競馬」、ハカマを穿いて出た。 ビリケン頭、ちょっと 中村獅堂に似ている。 師匠圓歌の所に住み込んでいた頃、弟子それぞれ「担 当」があった、美味しい海苔を買ってきたので海苔担当とか、おかみさんに決 められた。 自分は電気担当、たまたまラジオの電池を取り替えたのでそうな ったのだが、おかげでビッグカメラのポイントが38,000円もたまった。

 「崇徳院」、二十日前、上野の清水様の茶店で出会ったお嬢さんへの、若旦那 の恋わずらいを、その幼馴染でもある出入りの熊さんが聞き出し、「瀬をはやみ 岩にせかるる滝川の」という短冊を頼りに、探し歩く噺。 きん歌は、見つけ たら三軒長屋をやる、借金は棒引きにする、見つからなければ殺害の下手人と して訴える、三日以内に探せという設定にした。 「水のたれるような、いい 女」を「水の洩れるような」と熊、森末慎二(クラシアン)じゃない、と。 人 の集まる湯屋や床屋を探して三日目、三十七軒目の床屋で、賞金目当てでお店 のお嬢さんの恋わずらいの相手を探す男にめぐり合う。 お互いに、自分の方 に連れて帰ろうとして、取っ組み合いとなり、床屋の鏡が割れる。 心配する な「割れても末はあわんとぞ思ふ」。 きん歌、安心して聴いていられる、トッ プバッターとしては上々。

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