渡辺浩教授のまとめた儒学(朱子学)の教義2011/12/24 04:49

 そこで渡辺浩教授自身の儒学理解である。 最も代表的な儒学である朱子学 の教義の説明があった。 南宋の朱熹(1130-1200)による体系。 これが私には、 よく理解できなかった。 下手下手書いてみる。

 (1)天・地・人…天は地も含む。 すなわち大自然 nature、大宇宙のことで、 季節や天候も含む。 天災、天然記念物の天。 天国や地獄はない。 人も、 動植物を使いながら、生かされている天の営みの一部。 全ては天にあり、も の言わず自己展開している。 天意は、畏敬すべきもの。

 (2)禮と道…道は人らしさの基本原則。 神でなく、大自然に依拠。 人は万 物の霊長。 人の行動の型は、人らしさ。 現世にとどまり、当り前の人間関 係にとどまる。 「我が道を行くgoing my way」や「世界に一つだけの花」(個 性)は、悪。

 (3)五倫…人として守るべき五つの道。 君臣の義、父子の親、夫婦の別、長 幼の序、朋友の信。

 (4)君・臣・民…君は、天命、天の意志の代理人。 誰かが保証人になる必要 (統治)があって、最も「らしい人」、慕われる、支持される人がなる。  臣は、アシスタント、人として優れた人、君と臣で政府をつくる。 忠は、 まごころを尽すこと。 民は、相対的に愚か、統治は教育でもある。

 (5)修己治人…自己修養を遂げた人物が為政者となることで、天下泰平が実現 する。 修身・修養・功夫・学問(『孟子』) 「誠意・正心・修身・斉家・治 国・平天下」(『大学』)  郷挙里選・科挙、個人(男性)を家柄や身分に関係な く選抜。 この考え方は、世襲身分制度には危険思想で、明治維新に力があっ た。

 (6)三代と革命…夏王朝(堯→舜→禹と禅譲、禹以後世襲となり、桀が殷の湯 王に滅ぼされる)・殷王朝(紂王に至って周の武王に滅ぼされる)・周王朝(文王・ 武王・周公)の三王朝。 禅譲(帝王がその位を世襲せずに有徳者に譲ること)。  放伐(中国人の革命観で、徳を失った君主を討伐して放逐すること)。 「漢 儒者と和学者との間に争論ありて千緒万端なりと雖ども、結局分かるゝ所の大 趣意は、漢儒者は湯武の放伐を是とし、和学者は一系万代を主張するに在り。 漢儒者の困却するは唯この一事のみ。」(『文明論之概略』)

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