「冴ゆる」と「羽子板」の句会 ― 2013/01/19 06:36
10日は「夏潮」渋谷句会だった。 兼題は「冴ゆる」と「羽子板」、私はつ ぎの七句を出した。
しんがりで撞いたる鐘の音冴ゆる
中央町シャッター通り風冴ゆる
月冴ゆる年初の夜の銀座かな
パンタグラフが閃めいて月の冴ゆ
羽子板の似顔いささか似てをらず
羽子板の絵の安っぽき色配り
羽子板を手に遊んでと言ひ出せず
以下の七句を、私は選句した。 主宰の句を三句も採っていた。 実は平素、 余り採っていない。 特に〈もう逢うはぬこと〉を抜いていたのは、手柄であ った。 ご本人は即座に「想像の句」と言われたが、「追憶!」と声がかかった。
つぎ\/と堂閉しゆく音冴ゆる 英
もう逢うはぬことにしようと冴え\/と 英
冴ゆる夜の湯舟に白き我が腓(コムラ) 和子
やゝありて羽子板とりに戻り来し 英
羽子板につきしはねあと無数なる 淳子
羽子板やおかつぱ傾(かし)ぐきいちの絵 なな
私の結果は、〈中央町シャッター通り風冴ゆる〉を主宰、〈パンタグラフが閃 めいて月の冴ゆ〉を耕一さん・梓渕さん・さえさん、〈羽子板を手に遊んでと言 ひ出せず〉を耕一さん・善兵衛さん・裕子さん、〈月冴ゆる年初の夜の銀座かな〉 を耕一さん、〈しんがりで撞いたる鐘の音冴ゆる〉を松子さんが採ってくれて、 主宰選1句、互選8票の計9票と初句会、まずまずのスタートとなった。 た だ一句に終わった主宰選の評は、「どこでもよい中央町、人もほとんど歩いてい ない商店街、現代の風景をきちんと表現した句」であった。 有難い。
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