石原慎太郎議員の質問、憲法・天皇・横田空域2013/02/20 06:30

 14日に書いた12日の衆議院予算委員会で石原慎太郎議員の質問だが、公会 計が複式簿記ではないという問題以外にも、ふれておきたい。  憲法問題については、戦後占領下に戦争の勝利者が、敗戦国を統治するため に即製した「押しつけ憲法」であり、それが独立後も数十年にわたって存続し ている事例を歴史の中で見たことがないという持論を述べ、安倍首相も「一週 間ちょっとで作られた」と一致した。 そして「総理大臣が憲法破棄を宣言し た時、これを阻む法律があるのか」と現憲法破棄と早期の改憲を主張した。 名 宰相・吉田茂の側近だった白洲次郎さんが、「吉田さんは立派だったが、サン フランシスコ講和条約を締結した時、なぜ憲法を破棄しなかったのか」と言っ ていた、と。

 さらに憲法第一条「天皇は、日本国の象徴であり日本国民統合の象徴であつ て」の「象徴」の具体的意味を問い、安倍首相は「権力を持つ存在ではなく、 日本の長い歴史と伝統、文化と日本国民を象徴する存在」と答えた。 石原議 員は大まかには正しいとし、天皇はプリースト・キングだ、神道の大祭司だ、 と。 神道は宗教とはいえないような、それを超越した日本の自然や文化、日 本人の崇高な感性というか情念というか、そういったものの結晶だ。 神道の 大司祭である天皇は、日本の感性がもたらした文化の象徴だ、決して政治の象 徴ではない、とした。 首相の靖国神社参拝については、政治問題になるから 行かなくても良いけれど、天皇陛下に靖国参拝をお願いしてもらいたい、とし た。 安倍首相は「陛下のご親拝について私がうんぬんする立場にない」と答 えた。

もう一つは米軍横田基地の管制空域開放の問題だ。 7日に古巣の都庁に寄 って借りて来た(13日、朝日新聞朝刊)という関東地方の管制空域の模型を示 して質問した。 この問題、私はまったく知らなかった。 在日米軍司令部が あり、有事の際は兵站機能を果たすというので、ふだんはほとんど使われてい ない横田基地の管制圏のために、日本の飛行機はそこを飛べず、ヨーロッパか らの便は、一度太平洋に出ないと、成田や羽田に着けない。 あと5年で日本 の国際線はパンクする。 日本と商談がしたい外国のビジネスジェットが下り られない、手配しても2か月も先になるという。 国の衰退につながる。 本 来は横田基地の返還を求めるべきだが、最初のステップとして、空域の返還、 軍民の共同使用を交渉してもらいたい、と。